ハードSFの巨匠として知られる作家グレッグ・イーガンさんが、自身のTwitterで映画『君の名は。』(英語では「Your Name」)を視聴したことを明かし、同時に高く評価した。

自身の短編「貸金庫」からの影響を読み取り、やや甘ったるい部分もあるとしつつ、魅力的な視覚表現をふくめて賛辞を贈った。

これには『君の名は。』監督の新海誠さんも反応。

「貸金庫」からインスピレーションを得たことに言及し、初期のプロットと思われる設定画を公開した(なお、「貸金庫」からの影響は過去のインタビューでも言及している)。

『君の名は。』は新海誠さんの出世作であり、国民的ともいえる人気と知名度を獲得した。

一方で、硬派な映画ファンやSFファンからの批判も少なくなかったが、そんな中でグレッグ・イーガンさんからの太鼓判が押され、『君の名は。』好きからも暖かく迎えられている。

難解かつ広範囲なイーガンのSF
グレッグ・イーガンさんはオーストラリアのSF作家。素顔を明かさない覆面作家でもある。

医療機関にてプログラマーとして働いたのちに小説家に転身した彼は量子論、認知科学、医療、数学など広範な題材を用いることで知られ、数多くのSF作家に多大な影響を与え続けている。

『君の名は。』に影響を与えたという「貸金庫」は、毎日別人に入れ替わる特異体質を持つ登場人物が本当の自分の体を探し出す物語。「自分とは何か」という実存と自我を巡る。

イーガン作品と言えば登場人物がもはや人間ではないような難解な作品も多いが、日本のエンターテイメントにも多く影響を与えている。

「貸金庫」は短編集『祈りの海』に収録された短編。

新海誠さんも、高く評価されたことについて「本当に光栄です」と英語で返答している。

『君の名は。』は国外でも大きな話題を呼び大ヒットを記録している。影響を受けた一つだと公言してきた作品の作者に、4年ぶりに海を超えて届くこととなった。

過去には、「世界最高の起業家」とも言われるテスラ・モーターズCEOであるイーロン・マスクさんが絶賛したり、すでにハリウッドでの実写化も決定してりなど、『君の名は。』の世界での存在感は著しい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f660c092408a3968a9e1da211b68dc73a60e43e1
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