第97回箱根駅伝(来年1月2、3日)に向けて、東洋大が29日、埼玉・川越市内でハーフマラソン(21・0975キロ)の練習を行い、複数の主力を除いて、8選手が1時間2分台前半、さらに2選手が1時間2分台後半で走破した。

12月4日の日本選手権1万メートルに出場する西山和弥(4年)と5区対策で別練習の宮下隼人(3年)のダブルエースをはじめ、大沢駿(4年)、蝦夷森章太(3年)ら箱根駅伝経験者も別練習で参加していない中、松山和希(1年)らハーフマラソン未体験の下級生、さらには全日本大学駅伝(11月1日)を回避した主力の吉川洋次(4年)らが好走し、チーム状態は急上昇している。「相沢晃(現旭化成)のような大エースはいませんが、選手層は前回より明らかに分厚い。箱根駅伝に向けて戦力が整ってきました」と酒井俊幸監督(44)は手応えを明かした。

前回、東洋大はシード権ぎりぎりの10位。初優勝した2009年以来、11年続いていた3位以内を逃したが、この1年で再び、本来の安定感あるチームに戻りつつある。さらに「4代目山の神」候補の宮下という絶対的切り札もいる。前回5区で1時間10分25秒の区間新記録をたたき出した宮下は、2005年に、ほぼ同じコースで順大の今井正人(現トヨタ自動車九州)がマークした事実上の区間記録(1時間9分12秒)を超える可能性を秘めている。

2年連続6度目の優勝を狙う青学大の原晋監督(53)は「今回の箱根駅伝は5強による優勝争いになるでしょう。青学大、東海大、駒大、明大、そして、早大も強い」と勝負の行方を占っているが、東洋大もV戦線に加わってくる可能性も十分にありそうだ。

スポーツ報知2020年11月29日 21時18分
https://hochi.news/articles/20201129-OHT1T50174.html