わずか39秒の中に巨人・原辰徳監督の屈辱が詰め込まれていた。

「やはり流れがこっちに来ないというかね。最初に渡してしまったというね。(移動日で)明日1日ありますから。猛練習して、明後日に備えますよ。以上!」

京セラドームの一塁側通路。

 新型コロナウイルスの感染予防で取材人数が制限されているため、監督を取り巻く記者はわずかに5人しかいなかった。そのことがせめてもの救いだったようにも思えた。

 取材に立ち会った記者によると至って穏やかな口調だったが、顔は少し紅潮していたという。

アッという間に鷹打線の奔流に飲み込まれた
 前日にエースの菅野智之投手がソフトバンク打線の餌食となり、この日も先発の今村信貴信投手がアッという間に鷹打線の奔流に飲み込まれた。

 1回に1死から2番の川島慶三内野手を歩かせると、3番の柳田悠岐外野手にセンターオーバーの二塁打を打たれて先制を許す。

 その後、4番のジュリスベル・グラシアル外野手の内野安打を二塁・吉川尚輝内野手が悪送球して2点目が入り、前日のヒーロー・栗原陵矢外野手の右前安打でさらに一、三塁とされて内野ゴロの間にこの回3点目を献上。

 2回に9番の甲斐拓也捕手に真っ直ぐを狙われたフルスイングで中越え本塁打を許した。

 3回には2番手の戸郷翔征投手も捕まった。

 グラシアルに左翼席にライナーで突き刺さる2ランを浴びた時点で、実質的に試合は終わった。その後は指名打者アルフレド・デスパイネの満塁弾に守備の乱れなどのミスも出て13失点。

 巨人の日本シリーズでの失点記録を更新する大敗で2連敗のスタート。一方、4連覇を狙うソフトバンクは、これでシリーズは3年越しの10連勝と圧倒的な強さが際立つばかりだ。

完全な力負けが続く
「もはやDHうんぬんというだけの問題ではない。根本的なチーム作り、ドラフトや外国人選手の獲得など編成全般の問題が、これだけの差を生んでいるのでしょう」

 こう呻いたのはあるセ・リーグ関係者だった。

 昨年、シリーズで4連敗した直後に原監督が指摘した、指名打者制度によって生まれたリーグ間格差の問題は、確かにきっかけとしてあるかもしれない。

 ただ、根本的な野球の差、選手の質の差は、そうした制度的な歪み以前の問題であることは明白となっている。

 完全な力負けが続く。

 まず巨人打線がソフトバンクの繰り出す投手のパワーピッチが、真っ直ぐが打てないのだ

11/23(月) 13:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbe960e65870cc20d14580844f0e6191c1ad7921