「母親の役を演じたのは初めてでした。生まれたばかりの娘がいちばんで、次に夫のたすく。最初は、こんなに強くたすくに当たっていいものかと思ったんですが、ことねは娘を守って生きるのに必死ですし、生きていくってこういうことだよなと」

 映画『泣く子はいねぇが』で、子どもじみて父親になりきれない夫(仲野太賀)をもつ妻・ことねを演じている吉岡里帆。今作への出演の決め手は、佐藤快磨監督からの手紙だった。

「お手紙でオファーをいただいて、うれしいなというのと、監督が長年温めてきた作品への愛情がすごく手紙の内容に出ていて。“私ができることなら”という使命感みたいなものを感じて出演を決めました」

 9月に開催されたスペインのサン・セバスティアン国際映画祭で最優秀撮影賞を獲得し話題になっている今作。吉岡が演じる髪はボサボサで子育てに疲れたことねの姿を見ると驚くはず。

「若い未熟な夫婦の役柄というのは、今しかできないと思いました。ことねを通して、私の中に芯の強さが芽生えてきて、“これでいいんだ”と何か吹っ切れた感覚があります。地に足のついた大人になっていくことを自覚できた映画でもあって、これからの作品選びに影響を与えるものになったと思います」

「いやいや」と、ツッコみたくなる男性
 母親を演じるにあたり、出産したばかりの友人に話を聞いたり、ブロガーの育児日記や育児マンガなどを見て参考にした。

「赤ちゃんって、こんなことするんだとか、こういうときに幸せを感じるんだとか、いろいろと参考にさせていただきました。女性はお腹の中に子どもができて、自分の身体の変化からも母親になったと感じると思うんです。でも、“父親になる”って男性が思うのはいつからだろうと思いますよね。

 ただ、たすくに関して言えば、問題と向き合うことなく、ひとりで東京に行っちゃうのは逃げすぎじゃないかな。何年後かに戻ってきて“ヨリを戻せないか”って言われても、いやいやってツッコみたくなりますよね(笑)」

理想とする結婚相手は
 地元・秋田県男鹿の伝統行事“ナマハゲ”に参加している途中に起こした失態から逃げるように上京したたすく。彼がふたたび自分と向き合っていく姿を描く今作。

 吉岡自身は悩みに直面しても逃げることなく、角度を変えて違う側面から見ることで解決してきた。だからこそ、理想とする結婚相手は、楽しいことも大変なことも一緒に笑って共有できる人。

「結婚、出産という言葉をよく聞く年齢になりました。母親になった友達に久々に会うと、すごく大人に感じるんです。その瞬間、急に置いていかれた気分になったりして。友達からは、“里帆はしっかりしてるよ”って言われるんですけど、私から見ると友達の慈愛に満ちた表情とか包容力にすごさを感じて。自分は母親になれるのかな? って思うことがあります。憧れますけど、私にはまだ先のことですね」

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/0aef03d0453d4584001f3020ea736a79c2021500
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