関東一は前半のラッシュで勝負あり

11月14日、第99回全国高校サッカー選手権の東京都予選決勝が駒沢陸上競技場で開催され、関東一と堀越がそれぞれ代表権を獲得した。

11時キックオフの東京A決勝は、関東一と日大豊山が雌雄を決した。立ち上がりから主導権を握ったのが関東一。北村磨央と類家暁がサイドから仕掛け、2トップの宇山輝と笠井佳祐にボールを繋いでいく。前半9分に宇山がゴール前で相手GK浦田純矢からボールを奪い、右足でシュート。惜しくもこれは枠を捉えきれなかったが、13分にふたたびチャンスを掴む。宇山がロングボールに競り勝つと、相手の背後に飛び出した類家がネットを揺らしたのだ。

 先制点を奪った後も攻撃の手を緩めない。直後の16分、MF肥田野蓮治がペナルティエリア内でシュートを放つと、このこぼれ球を拾った笠井が豪快に蹴り込んでリードを広げた。以降もピッチを広く使いながら、相手陣内へ侵入。35分には宇山の左クロスに笠井が合わせて3点目を奪った。
 
 3−0で迎えた後半はペースを落としたが、守備陣が日大豊山の鋭いカウンターを封じ込めて付け入る隙を与えない。DF菅原涼太を中心に球際で競り勝ち、決定機を作らせなかった。このままリードを守り切った関東一が勝利を飾り、3年ぶり3回目の本大会出場を決めている。

 東京B決勝は劇的な幕切れで、堀越が大成を下した。
 
 序盤にボールを支配したのは堀越。3−4−2−1の布陣でスタートすると、最終ラインから丁寧にボールを繋いで攻撃を組み立てる。ボランチの東耀也と宇田川瑛琉も良いタイミングでボールを受けて、的確に前線にパスをつけた。迎えた前半12分、堀越は右サイドの崩しからゴール前のクロスにMF山口輝星が反応。上手くボールを受けられなかったが、FW尾崎岳人が押し込んで先制点を奪った。以降も中盤で軽快にパスを回し、大成に主導権を渡さない。守備陣も身体を張った守りでチャンスを作らせず、前半を1?0で折り返した。

 後半に入っても堀越が優位に試合を進める。相手に押し込まれる場面も増えたが、うまく跳ね返しながら前にボールを運んでゴールを伺った。しかし、後半30分を過ぎると相手のロングボール攻勢に手を焼く。セットプレーも脅威となり、自陣で耐え凌ぐ時間帯が増えた。そして38分にCKからFW原輝斗に決められ、試合は振り出しに戻る。
 
 延長戦突入が濃厚と思われたが、堀越は諦めていなかった。後半アディショナルタイム、右サイドを打開すると、山口のラストパスからキャプテンのMF日野翔太が右足でシュート。これが勝ち越し弾となり、堀越が劇的な形で29年ぶり2回目の選手権出場を掴んでみせた

11/14(土) 15:05
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