やるならこうだろ

10年後のアンス・ファティはこれ↓

また補強の失敗で頻繁にお客さんに怒られてますよ。『バルサ、何やってんだ!』って。
ボクはひたすら謝るだけなんですけどね」
バルセロナ中心部から少し外れた場所にあるお店を訪ねると、アンス・ファティさん(28)はこう切り出した。

2019年、16歳ながらバルベルデ監督率いるバルセロナの若き俊英として活躍。セティエン監督の元でも輝き、翌年はクーマン監督の元、バルサ新生の象徴としてメッシのかわりにエースとなることを期待された矢先のことだった。

ベティス戦での半月板の損傷をきっかけに膝の怪我に苦しみ、元のパフォーマンスに戻ることなく、怪我を繰り返し26歳で引退。はやくも惜しまれながら「第2の人生」を余儀なくされた。

「小さい頃から飲食店経営の夢はあったので、サッカーをやめた後はその道に進もうと思っていました。
でも、経営については素人。そんな時、カンテラ時代の友人のタケ(久保建英=レアル・マドリード)と先輩のイニエスタ(ヴィッセル神戸SD)の紹介を頼りに、宮崎の製麺所勤務を経て、香川県にあるうどん店で修行させてもらうことになったんです」

「タケがうどんを食べさせてくれてなかったら、今の僕の成功はないと思いますね。バロンドールを取るだけあってカンテラ時代から彼にはサッカーでも敵わずでしたが、今でもタケには頭が上がりません(笑)」