決勝で明桜が4―0で秋田工に快勝して27大会ぶり4度目、現校名では初となる全国高校サッカー選手権(12月31日開幕、埼玉スタジアムほか)出場を決めた。かつて国見(長崎)やJクラブ下部組織を指導した、就任3年目の原美彦監督(47)の指導を受けてチームが大きく成長。今大会全4戦で23得点無失点と、モットーである“全員攻撃全員守備”を体現して頂点をつかんだ。
1993年以来、実に27大会ぶりの選手権切符を全員でつかんだ。前半27分、FW田中将太(2年)の先制点を契機に4得点した明桜が、初の選手権出場を目指す秋田工に完勝。ボールを保持し、的確なパス回しから相手ゴールに何度も迫った選手たちに、原監督は「やりたいスタイルを追求した結果、優勝できたことはうれしい」と笑みを見せた。
指揮官は、国見で名将・小嶺忠敏氏(75、現長崎総合科学大付監督)の下でコーチを務め、全国選手権だけでなく高校総体などで何度も日本一を経験。その後神戸U―18などJクラブ下部組織を指導した実績を評価され、2018年4月、明桜監督に就任。「全員攻撃全員守備」を基本理念に、チーム力向上を図ってきた。
制限時間を決めた走り込みなどで体力面を鍛えるだけでなく、選手たちには、個々の技術を磨き全員が攻守で相手を圧倒することを意識させた。先制点を決めた田中は「みんなのために走って点を決めるのが役割」と話す一方で、「後ろ(守備陣)からの声がけがあるから前から(相手を)追いやすい」。今大会通じて12人の選手でこの日のオウンゴールを除く22得点を奪い、守っては4戦連続完封。それぞれが自分の場所で役割を果たした結果だ。
この白星で一つ、チームの歴史を変えた。2点目を決めたMF堀井真生(3年)は、「監督はよく『歴史を変える』と言っている。やってやるぞという気持ちになる」。次に目指すのは、旧校名の秋田経法大付で出場した3度全てで初戦敗退している、全国選手権での1勝だ。「楽しみしかない。全国で明桜の躍動感あるサッカーができたらいい」と語った指揮官に導かれた選手たちが、全国大会勝利で再び歴史を変える。(有吉 広紀)
10/25(日) 8:00
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