>>752
まあロナルドレーガンも勘違いしたくらいだからな

「ボーン・イン・ザ・U.S.A.事件」

そしてこの年にも大統領選があった。
再選を目指す共和党のロナルド・レーガン大統領が、この「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」を自らのキャンペーン・ソングとして選び、使用して、大きな物議をかもすことになる。

なぜならばこの曲は、ヴェトナム帰還兵の苦難を歌ったものであり、決して、どの角度からも、「保守的なアメリカ」を礼讃するようなものではなかったからだ。

「俺はアメリカで生まれた」と繰り返されるサビには、苦みしかない。歌詞のそれ以外の部分では、「苦みの裏付け」が描写されていた。戦場へと送られ、使い捨てにされてしまった庶民の痛みが、米文学の名作短篇小説もかくや、という見事なる筆致で描き出されていた……のだが。

とにもかくにも、そういった点は、きれいさっぱり「聞き流されて」しまい、アルバム・ジャケットの「肉体派」っぽいイメージのせいもあって、
マッチョで力強い、明朗快活なアメリカ万歳ソングが「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」である、という徹頭徹尾の大誤解のもと、なんと現職の大統領が「これ私の選挙戦にいいね」とハンコまでついてしまったのだから堪らない。

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