<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

サンプラザ中野くん(60)が還暦を迎え、パッパラー河合(60)と、満を持しての中野サンプラザ公演を行った。

爆風スランプとしてデビューした当時、レコード会社の方から「サンプラザ中野が中野サンプラザでコンサートは当たり前すぎるので、いざというときまで取っておこう」の言葉で同会場でのライブを封印してきたが、その封印はついに解かれた。

「サンプラザ中野くんがついに中野サンプラザでコンサートをやっています! ありがと〜う!!」のMCは心の叫びだったに違いない。

爆風スランプのいろいろなことが分かるライブだった。サラリーマンである父親の悲哀を歌った「45歳の地図」では、曲の途中に「息子には中学校の文集でオヤジのようにはなりたくないと全校に発表された」というセリフがある。これは、パッパラー河合の少年時代の実話だったという。

また、ライブでは2人の音楽ルーツを巡るコーナーもあった。サンプラザ中野くんが影響を受けた曲として最初に演奏したのが、ザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」だった。

パッパラー河合はキング・クリムゾン「21世紀のスキッツォイド・マン」を演奏したが、初めて弾いたギター曲はお約束の「禁じられた遊び」だったことを明かした。「これが初めてでも弾けたんです」と胸を張ったが、そのギターは「1弦1本しかなかった」というオチだった(笑い)。

爆風スランプは現在活動休止中だが、ゲストにはベースのバーベQ和佐田も登場し、まるで爆風スランプを見ているようなライブだった。「大きな玉ねぎの下で」を久しぶりに生で聞けたのは感慨深かった。

近い将来、ファンキー末吉のドラムで、「もう1度爆風スランプを見たい」と実感したライブだった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f13fbee2ed82764abf743aa42fda4097cd3c0714
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