ラ・リーガ第5節、アトレティコ・マドリード対ビジャレアルが3日に行われ0-0のドローに終わっている。日本代表の久保建英は85分から出場。アピールはできず、逆に危険なボールロストからピンチを招くなど、印象はよくなかった。ただ、エメリ監督の起用法にも疑問が残ったのは事実だ。(文:小澤祐作)

●ガチガチの展開でドロー

 昨季マジョルカに所属していた久保建英は、ラ・リーガ屈指の実力を誇るアトレティコ・マドリード相手に“二度も”その力を示した。第6節の対戦時にはポスト直撃のシュートを放つなど躍動。そして、第34節の対戦時にはチーム最多のドリブル成功数を記録するなど孤軍奮闘していた。

 しかし、今回のアトレティコ戦で昨季と同じような活躍を披露することは叶わなかった。過密日程の中、ウナイ・エメリ監督は久保をいよいよ先発で使うかと思われたが、発表されたスターティングメンバーの中に19歳の名前はない。5試合連続のベンチスタートとなった。

 ビジャレアルはアトレティコ相手に4-4-2ではなく4-1-4-1のシステムを採用してきた。最前線にパコ・アルカセルが張り、ジェラール・モレノを右サイドに配置。中央はダニエル・パレホ、マヌ・トリゲロス、ビセンテ・イボーラで形成された。

 守備時は左サイドのモイ・ゴメスを最終ラインに下げ、G・モレノを最前線に残す5-3-2システムにチェンジ。まずは守備から、というエメリ監督の狙いだった。

 ビジャレアルの入りは悪くなかった。最終ラインと中盤の距離をコンパクトに保ち、ライン間で仕事をこなそうとするジョアン・フェリックスらをしっかりとブロック。ボールを奪うとパレホを中心にボールを動かし、アトレティコの最終ラインを深い位置へ追いやった。

 ただ、アトレティコの守備はさすがに堅い。ステファン・サビッチのカバーリング、トーマス・パルティの潰し、ヤン・オブラクの安定感。これらが随所で光るディエゴ・シメオネ監督率いるチームを崩すのは、容易ではない。ビジャレアルは前半、たったの2本しかシュートを放てなかった。

 一方でアトレティコも攻撃陣が苦戦。ビジャレアルの守備に手を焼き、前半はシュートを6本放ったが枠に飛んだのは0本だった。ここまで印象的な活躍をみせてきたJ・フェリックスも、やや影を潜めていた。

 後半もお互いに守備の強度が光る、ガチガチの展開に。ボール保持率も大差なく、どちらが最後まで耐えきれるかという我慢比べだった。

 シメオネ監督は70分、ジエゴ・コスタやマルコス・ジョレンテ、ヤニック・フェレイラ・カラスコらを投入。勝負に出た。しかし、流れは大きく変わらず。結局ビジャレアルも交代は2人のみに留まっており、最後は勝ち点1ずつを分け合う形で試合を終えた。

つづく

フットボールチャンネル10/4(日) 12:10
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