俳優が自ら命を絶ったとみられる事態が相次いでいる。自宅で40歳の若さで亡くなった竹内結子さんのほかにもこの2カ月あまりで三浦春馬さん(享年30)、芦名星さん(同36)、藤木孝さん(同80)。一体なぜ自殺の連鎖が起きているのか。専門家はコロナ禍による仕事の減少が「喪失体験」となり、知らず知らずのうちに心に大きな負担を与えている可能性があると指摘した。

 トップ女優のあまりにも突然の別れに悲しみが広がるとともに「なぜ役者ばかり…」と疑問の声が上がっている。

 現在、新型コロナウイルスの影響で俳優業界全体が低迷し、仕事が激減している。テレビ関係者は「コロナ禍で映画やテレビドラマの制作が一時的にストップしたことで、役者の需要が落ち込んでしまった。ペースが戻らない」と嘆く。

 関係者によると、トップ俳優の場合は2年先くらいまで出演予定が決まっているが、一度撮影が延期や中止になるとスタッフや共演者との兼ね合いもあり、再度スケジュールを組むのが困難になるという。竹内さんは金銭的には問題がなかったようだが、「彼女のような主演級は出演作も慎重に選ぶ。バラエティー番組などに安易に出るわけにもいかず選択肢が限られる」(映画関係者)と指摘する。

 その中で要因として浮かぶのが「喪失体験」だ。社会心理学者の碓井真史氏(新潟青陵大学大学院教授)は「自分の大切なものを失う体験」のことで、一般人にも多大な影響があるという。「コロナ禍でこれまで通りの仕事ができなくなってしまった。まさに“喪失体験”の一つで、非常に心の負担が大きい」と訴える。長年のルーティンが知らず知らずのうちに突然なくなってしまうことで、心身のバランスを崩してしまう。

 竹内さんの周囲は「悩みを感じているようには見えなかった」という認識で一致する。その中で知人は「竹内さんは出産で仕事を離れることへの不安を口にしていた。第2子を授かってからも仕事への意欲は衰えていなかった」と明かした。

 竹内さんの場合は1月に次男を出産し、家庭環境も大きく変化していた。碓井氏は「産後は心と体のバランスを崩しやすい」と説明。さらにコロナの影響で家庭内で母親の負担も増えたとし「学校が一斉休校になるなど、育児や家事のストレスを口にする女性が増えた」とも語った。

 息抜きも一般人なら気軽に外を歩いたり、食事したりできるが、コロナ禍の自粛ムードで芸能人には厳しい視線が注がれた。仕事で仲のいいスタッフや親しい人と接する機会が減ったことで「ちょっとしたサインに誰かが気付く機会が失われてしまったのではないか」。竹内さんは心の中に何を抱えていたのか。喪失体験が悲劇の引き金となったなら残念でならない。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

2020年09月28日 06:15芸能
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