9/22(火) 5:00
スポーツ報知

スターダスト移籍の桜井ユキ「この作品に使いたいと思われる存在でありたい」
「夫婦という形を築いた自分、子供を持った自分が想像できない分、すごく興味がある」と語った桜井ユキ
 女優の桜井ユキ(33)が8月から大手芸能事務所・スターダストプロモーションに所属し、新たな一歩を踏み出した。24日最終回のフジテレビ系「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(石原さとみ主演、木曜・後10時)では薬剤部主任役を好演中。昨年はNHK「だから私は推しました」で連ドラ初主演など、ドラマ、映画10本に出演した。デビュー10年目を迎えた桜井が環境を変えた理由、自身の未来について語った。(加茂 伸太郎)

 美しいたたずまいに、視線を奪われる。一見、クールでエレガントなイメージとは違い、話し始めると気さくでチャーミングな一面ものぞかせる。そのギャップもまた、桜井の魅力だ。

 昨年は映画「マチネの終わりに」(福山雅治主演)で、主人公の運命の歯車を狂わすマネジャーを好演。「だから私は推しました」では地下アイドルをサポートするアラサー女子を演じ、放送文化基金賞の演技賞を受賞した。ドラマ7本、映画3本に出演し、飛躍を遂げた。

 デビュー10年目に入った5月、前事務所を退社。仕事の環境を変えようと、フリーの道を選んだ。「心境的なものですね。昨年から漠然と考えていたことが急にストンと来た。特別何かがあったわけではないんです。何もない状態で辞めてしまって…」

 8月からスターダストプロモーション所属になったが、感性で決めた。

 「しばらく1人で(活動して)いいと思っていた。そんな時、縁あってお声を掛けていただきました。何かを決断する時、深くは考えないタイプ。必ずしもいい結果を生んではいないけど、今回も自分の直感に従いました(笑い)」

 桜井は23歳の時に福岡から上京した。知り合いの芸能事務所関係者に声を掛けられ、一念発起。「年齢的なものもあるし、これが最後。この先、チャンスはない。そういう意味で迷いはなかった」。小学生の頃から憧れていた役者の世界に飛び込んだ。

 キャリアのスタートは24歳。引け目はあるが、一方では納得もしている。「何度思い返しても、スタートできたギリギリの年齢が24歳だった。後悔はないです。それより前にこのお仕事を始めていたら、使いものにならなかった。自分が未熟で、お芝居に手を出せるキャパ(=能力)がなかった」

 石井岳龍、三池崇史ら「鬼才」と呼ばれる監督のもとで経験を積んだ。映画「リアル鬼ごっこ」(15年)の園子温監督(58)の現場は転機の一つに。「『こういうふうにお芝居しよう』と思い描いても、全部壊された。台本や演技の枠組み、シーンさえ変わる。全く通用しなかった…。そこに身を置くことができて、ありがたかったですね」

 原点回帰のため、訪れる場所がある。上京後に学んだワークショップの先生のところだ。「迷ったり不安になると、そこに戻るんです。何かヒントがあると思い、1日だけ見学をさせてもらう。楽な部分にいこう―となっている時は、勉強しに行って初心を思い出すようにしています」

 主役、脇役へのこだわりはない。周囲に必要とされる女優になるのが究極の理想。「『このシーンに使いたい』『この作品にほしい』と思われる存在でありたい。大げさだけど、指名されれば、自分の中にある全てをささげるつもりでいる。これもご縁。一つ一つやる中で、縁がつながっていったらいいなと思います」

 ◆桜井 ユキ(さくらい・ゆき)1987年2月10日、福岡県出身。33歳。2011年に舞台女優として芸能活動をスタート。その後、ドラマ、映画に進出。17年「THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピングビューティ」で映画初主演。趣味は読書、一人旅。特技はサックス、ピアノ。公式インスタグラム(@yuki.sakurai_official)を開設。163センチ。

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