メッシのように自由裁量を広げて敵に脅威を!

加部究氏が考える日本代表の現時点でのベストメンバー。
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10月にオランダで国際親善試合を行なうことが発表された日本代表だが、いまやそのメンバーを語るうえで外せない存在となっているのが久保建英だろう。
欧州各国のビッグクラブが熱視線を送る19歳を、日本代表ではいかに活用すべきなのか――。現時点のベストメンバーの中で久保が担うべき役割について、識者に見解を伺った。

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加部 究氏(スポーツライター)

日本の選手たちが欧州に進出すると、概ねFWは1列下げられ、ボランチは1列上げて起用される。どうしても体格的に、攻守の明暗を分ける重要なエリアで十分な強度を持って解決できる人材が少ない。
その分技術やアイデアは比較的高水準にあるので、大半が2列目に集結することになる。日本代表では1トップが定番の大迫勇也も、ブレーメンではトップ下として安定した成果を挙げた。

逆に98年フランス・ワールドカップでボランチとして新境地を切り拓いた名波浩は、このポジションでセリエAに挑んだが、移籍先のヴェネツィアでは1列上げてピッチに立つことになった。
結局日本代表のフォーメーション選択を考える時に、必ず直面するのが1トップとアンカー候補の枯渇で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の頃から大迫依存の状況は変わらず、ボランチは2枚用意することが定着している。

今年川崎を筆頭に広がりつつある4-3-3は、ハイレベルな国際舞台を想定すれば難しい。もちろん久保建英は日本が最大の輸出量を誇る2列目でも1、2番目の選択肢になり、
もし従来の4-2-3-1に当てはめ、南野拓実がリバプールでも結果を出しつつある状況を考えれば右サイドでの起用が妥当だろう。だが反面久保の長所は、アタッカーとしての多様性で、状況に応じて最適な判断を表現できることだ。

一方で守備に関しては発展途上で、最大限攻撃に主眼を置くことを考えればサイドの上下動を課すのはあまり得策ではない。

むしろFC東京時代は下りてボールを引き出し、ディエゴ・オリヴェイラをターゲットにカウンターの起点として機能してきたことを考えても、
リオネル・メッシのように自由裁量を広げて相手に脅威を与えられるスタートポジションが望ましい。2トップなら隙間で受けることも、サイドに流れてプレーすることも可能だ。

久保を軸にポジションチェンジを繰り返しながら、連動して崩していくスタイルが実現するはずである。

9/13(日) 13:01配信 サッカーダイジェスト
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