8/28(金) 20:50配信 THE DIGEST
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 警官による黒人男性への銃撃事件が発生したことを受け、人種差別に対する抗議の一環としてウェスタン&サザン・オープン準決勝の棄権を表明していた世界10位の大坂なおみ。しかし、大会自体が大坂の抗議に呼応して1日延期することを決めたため、大坂の動向に注目が集まっていた。WTAやUSTAの説得もあり、最終的には出場を決めたが、依然として今回の大坂の言動には様々な意見が飛び交っている。

 大坂は27日、ウェスタン&サザン・オープンの準々決勝で勝利を収めた直後にツイッターを更新し、「私はアスリートである以前に黒人女性です。また、黒人女性としてテニスをしているよりも重要な事柄があるように感じます」と、自身の抗議文を英語と日本語で公開した。その中で黒人を取り巻く権利剥奪、全身性人種差別などを例に挙げ、そういった行為が「気分を悪くさせる」とも綴っていた。大坂のツイートには9万件以上のリツイートと40万件以上の「いいね!」がつけられており、多大なる反響を呼んでいる。

 そんな中、現役のプレーヤーやテニス界のレジェンドからは、大坂の抗議活動へ賛同の声が集まっているようだ。元世界1位でBIG4の一角でもあるアンディー・マリー(イギリス)はインスタグラムのストーリーでグッドマークを並べた写真を公開し、肯定的な姿勢を示した。

 世界59位のアリゼ・コルネ(フランス)も「(大坂の姿勢に)大きな敬意を抱いている。あなたは真のリーダーよ」と高く評価。女子テニス界のレジェンド、ビリージーン・キング氏もツイッターで「勇敢で影響力のある行動。アスリート自らが(人種差別の)討論の場を設けることは重要な意味を持つ。黙ったままではいけない」との考えを示している。さらに、10代の注目株プレーヤー、コリ・ガウフ(アメリカ)は大坂の投稿をリツイート。日本人選手からは、錦織圭が『いいね!』をつけて賛同した。

 また、大坂と同じくウェスタン&サザン・オープンの準決勝に進出したミロシュ・ラオニッチ(カナダ)も、何かしらの抗議活動を考えていたようだ。ATP公式サイトによれば「公平に扱われていないこと、軽蔑されていること、恐怖の中で生きなければならないこと、自分が経験したことのないようなものがたくさんある。だから自分はNBAがやっていること(抗議行動)には期待を寄せているし、男子ツアーだけでなく女子ツアーでも、団結して(抗議行動への)サポートを示してほしいと思う」とコメントしている。

 アメリカではテニスに限らず様々なスポーツで人種差別抗議の動きが拡大していることから、やはり人種差別問題はアスリートの間でも非常に根深いものであることは間違いない。また、スポーツ界での一連の動きに対するSNSでの反響を考慮しても、我々日本人にも大きなインパクトを残しているといえるだろう。