本当に「日本人の約65%」が見ていた?

 視聴率調査を行うビデオリサーチが、22〜23日に放送された『24時間テレビ43 愛は地球を救う 動く』(日本テレビ系)の視聴率と視聴人数を発表し、各メディアが報じた。

 平均世帯視聴率は15.5%、平均個人視聴率は8.8%(関東地区)。視聴人数は8145.2万人(到達人数)、全体の平均でも1015.1万人が見たという。視聴率はまだしも視聴人数の「8145.2万人」という数字を見て驚かされるのではないか。

 実際これを知った人々はネット上に「これは明らかにおかしい」「自分の周りは誰も見ていないのに」「来年も放送するためのねつ造か?」などと疑問の声を挙げている。

 なぜ「国民の約65%が見ていた」という途方もない数字が報じられてしまったのか? その背景には、視聴率調査の危うさ、テレビ業界・広告業界の苦しさなどが潜んでいる。

「1分間見ただけで1カウント」

 まず「なぜ8145.2万人という数字が生まれたのか」にふれておきたい。

 今年4月、ビデオリサーチの視聴率調査が大きく変わり、全国32地区の調査仕様が統一化され、「日本全国で何人が見たか」という推計が出せるようになった。これまでの「どれだけの世帯が見たか」を示す世帯視聴率より分かりやすいのは間違いなく、「人を基点にテレビ視聴の実態を正しく捉える」を掲げたビデオリサーチよる前向きなリニューアルと言っていいだろう。

 しかし、この話にはまだ続きがある。今回の8145.2万人という数字は、「24時間テレビ・NNNニュースの各番組を対象にした個人全体4才以上における全国32地区視聴率・到達率が、調査最小単位である『1分間』において最大となった時間の視聴人数」だったのだ。

 つまり、「4才以上の人々が1分間見たら視聴人数に含まれる」という定義であり、しかも「ザッピングして何度かチャンネルを合わせた場合も1カウントとしている」という。「8145.2万人が見た」というメディアの報じ方は明らかにやりすぎだ。

 そもそも視聴率調査自体、関東2700世帯、関西1200世帯、名古屋600世帯、北部九州・札幌400世帯、仙台・広島・静岡・長野などの22地区200世帯に留まっている。信頼性の真偽はさておき、世間の人々が諸手を挙げて納得できる母数ではない。

 8145.2万人という数字は、そんな全国各地の世帯調査を「住民基本台帳、国勢調査より推計した人口・世帯数に、ビデオリサーチが実施するエリア内特性調査より推計した自家用TV所有率を乗じた“拡大推計マスタ”をかけ合わせて算出したもの」という。これも真偽はさておき、推計というフレーズの多さを見て「アバウトな数値」という印象を受けた人は少なくないだろう。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

8/26(水) 7:01配信現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab04a5f2bd914bb2cc43109aaa1fd2b32d1d643f