Jリーグが鳥栖の“クラスターショック”に揺れている。

 11日にJ1鳥栖は金明輝監督(39)の新型コロナウイルス陽性を発表。その後、チーム内感染が一気に拡大し、11人の感染者が出てクラスター(感染者集団)となった。鳥栖の今後3試合【明治安田生命J1第10節(15日・G大阪)、11節(19日・仙台)、12節(23日・札幌)】は中止となり、25日までチーム活動を完全に休止する。

 15日に対戦するはずだったG大阪・宮本恒靖監督(43)は14日、「われわれはJリーグの構成員というクラブとしての立場を受け入れて、次の日程にあわせていく」とコメント。運命共同体であることを強調した。

 Jリーグはクラスター防止に向けて必死の対策を講じながら試合を開催している。今季を成立させる条件を(1)それぞれのリーグにおける年間予定総試合数の75%以上(2)すべてのクラブについて年間予定総試合数の50%以上を実施するとしている。しかし、これが達成されなかった場合は一大事。スポンサー料の減額など一気に逆風が吹き荒れる。8社あるJリーグトップパートナーの中からは契約打ち切りの意向を示している企業もある。

 また、Jリーグの試合中止数が増えればサッカーくじ(toto)の売り上げにも響く。となればスポーツ振興、東京五輪に向けた強化費にも影響がでる。劣等生の鳥栖が引き金を引いたクラスターの傷は深い。 (編集委員・久保武司)

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