腎細胞癌は、腎臓に発生する悪性腫瘍のひとつであり、尿細管上皮細胞ががん化したものである。

男性5.6/100,000人、女性4.1/100,000人の確率で見られる。

喫煙は本症の主要な危険因子であり,30%増大させる。
一部の解熱鎮痛薬の長期使用(アセトアミノフェン、フェナセチン)なども本症の危険因子である。

本症は転移が多いことで有名な悪性腫瘍であり、特に肺転移、骨転移、肝転移を起こしやすい。
なかでも肺転移が最も多い。

5年生存率は、腎に限局している癌であれば73〜93%、腎周囲脂肪組織に浸潤するものでは63〜77%、
腎静脈や下大静脈内に腫瘍塞栓があるものまたは所属リンパ節転移のあるものでは38〜80%、
遠隔転移のあるものでは11〜30%と報告は様々である。

なお、5〜10年経ってから転移が見つかることもあるので、術後10年以上の経過観察が必要になる。