巨人の原辰徳監督が6日の阪神戦(甲子園)で11点差のついたゲームで中継ぎ投手を温存するために増田大輝内野手を登板させた仰天采配が巨人OBや日本人メジャーリーガーも巻き込んで賛否両論の大論争に発展している。
その中で、ついに巨人の大物OBで、西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏が口を開いた。
広岡氏は、ロッテGM時代にボビー・バレンタイン監督を招聘するなど、メジャーの野球に精通している人物だが、意外というか、予想通りというか、今回の原采配に怒りを隠さなかった。

「大差がつき、中継ぎを休ませたいという理由で野手に投げさせるとは、もってのほか。巨人が絶対にしちゃいかん野球だ。確かにメジャーでは作戦のひとつとして野手を投げさせることがあるが、日本では、この作戦をやっていいチームと悪いチームがある。
巨人には山ほどピッチャーがいるじゃないか。ピッチャーがいない他のチームがやるのならまだわかるが、巨人はやってはならないチームだ」

 ブルペンには中川皓太、大竹寛、鍵谷陽平、大江竜聖の4投手が残っていた。中川は抑えで残りの3人はいずれも勝ちゲームや接戦で起用予定の中継ぎ投手。
連戦と新型コロナウイルスの影響を受けて余儀なくされた過密日程を考慮して、原監督は11点差で貴重なブルペン陣ををつぎこむことを躊躇したが、広岡氏は、「巨人には選手がたくさんいる。過密日程でこの先に不安があるのならば下から選手を育てればいいのだ」と持論を展開した。

「今は新型コロナの影響で多くの野球ファンはテレビで観戦しているが、お金を払って球場にきていたファンはどう思っていたのだろうか。最後まで最善を尽くす姿を見せない野球は、ファンに対して失礼である。まして阪神に対して失礼である。阪神の選手もベンチもなめられたもんだ、という感情を抱くだろう。巨人のおごりに思える」

 増田は小松島高時代に投手経験があるとはいえ“素人”相手に近本光司は二ゴロ、大山悠輔はライトフライに抑えられている。大注目の中で、恥をかかされた2人は、どんな気持ちだったのだろうか。まして大勝ゲームの話題をそちらにもっていかれた矢野監督は、どんな感情を抱いたのか。
メジャーでは主流の野手の敗戦処理登板も日本ではまったく浸透していないのだ。余裕を見せられたように感じたのではなかっただろうか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/64f0e3a4d8a914d5d699d6175fcf321df03c5fa8
8/9(日) 7:20 THE PAGE