ツール・ド・ポローニュ第1ステージで発生した落車により、いまだ人工的昏睡状態にあるファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)に対し、ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が自身のツイッターに謝罪文を掲載した。またシモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)は下りフィニッシュのコース設定に問題があったとしてレース主催者を批判している。

ツール・ド・ポローニュ第1ステージのフィニッシュ地点直前でディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)が道を塞ぎ、落車したファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)。ドクターヘリで病院へ緊急搬送された後命の危険は脱したものの、いまだ人工的な昏睡状態に置かれている。チームの最新情報によると、ヤコブセンの容態は安定しており、その日の夜に顔の手術を受け、本日中には医師がヤコブセンの意識を戻す試みをするのだという。

また同じく落車したマルク・サロー(フランス、グルパマFDJ)は肩の腱を断裂したためレースを棄権。かつてマトリックスパワータグにも所属していたエデュアルド・プラデス(スペイン、モビスター)は、背中を縫合するほどの傷と第6頸椎を骨折したとして出走を取りやめている。

レースから一夜明け、フルーネウェーヘンはツイッターを通して「昨日起こった出来事に対して申し訳なく思っています。ファビオ(ヤコブセン)や落車した他の選手、心を痛めた人たちに対してどれだけ謝罪の気持ちがあるか、言葉では言い表せません。いま一番大切なのはファビオの健康です。私は絶えず彼のことを思い続けています」と謝罪した他、所属チームのユンボ・ヴィズマも「深くお詫び申し上げます。何が起こったのかをチーム内で話し合った上で、今後の声明を発表する予定です」とコメントしている。

今回の落車が発生したのはフィニッシュラインから約5m手前の地点。残り600m地点まで緩やかな登りだが、その頂上からは緩斜面の下りであり、加速を続けながらフィニッシュラインになだれ込むコースレイアウトだった。また報道によると落車したヤコブセンのスピードはフィニッシュ直前で80km/hまで達していたと言われている。

この下りフィニッシュに対し、ポローニュ出場中のシモン・ゲシュケ(ドイツ、CCCチーム)は、「毎年ツール・ド・ポローニュでは同じ様なふざけた下り坂スプリントが登場する。なぜレース主催者は毎年これが良いアイディアだと思っているのかと自問している。集団スプリントはただでさえ危険だが、時速80km/hの下り坂フィニッシュなんていらない」と、レース主催者を批判した。

このゲシュケの意見には、落車に巻き込まれたジャスパー・フィリプセン(ベルギー、UAEチームエミレーツ)を含む多くの選手や関係者、ファンたちから賛同が集まっており、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCC)も「レースの安全性を高めるため行動を起こすべきだ」というメッセージをCPA(プロ選手連盟)に対し呼びかけている。

シクロワイアード 2020/08/06 - 21:52
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