2020年8月3日 19時22分
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 大林宣彦監督の遺作となった映画『海辺の映画館−キネマの玉手箱』が7月31日より公開され、メイン館で満席続出となる好調なスタートを切った。7月31日から8月2日までの3日間で動員数4,012人、興行収入513万1,320円を記録。今後、全国69館での拡大公開が決定している(数字は配給調べ)。

 新型コロナウイルスの影響により初日が4月10日から約3か月半延期された本作。くしくも大林監督は、当初の初日4月10日に亡くなった。同作はTOHOシネマズシャンテで土曜全回、TOHOシネマズ新宿では土日の8回中6回が満席。スクリーンアベレージは301,842円。興行通信社調べの「ミニシアターランキング」では第1位にランクインした。なお、パンフレットの売り上げも好調で、TOHOシネマズ調べによると購買率40%を超えている。

 観客層は、尾道三部作(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)をリアルタイムで体験した40代、50代の映画ファンを中心に、午前中はシニア層、お昼以降は30代、20代と下がっていき、男女比は6対4 。SNS上には「ストーリーも映像も過去最高にぶっ飛んでいて最高でした。」「今までの大林監督作品のまさに集大成ともいうべき、戦争と平和を主張を持って描いている。今を生きる若者に見てほしい」「どこを切っても大林しか出てこない大林映画」「とてつもない作品でした」といった感想が寄せられている。

 本作は、大林監督が約20年ぶりに故郷・尾道をメインにロケを行ったファンタジー。閉館を迎える尾道の映画館「瀬戸内キネマ」で日本の戦争映画特集を観ていた3人の若者が、スクリーンの世界にタイムリープ。戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争など戦争の歴史を体験し、歴史上では亡くなった移動劇団「桜隊」を救うべく奔走する。メインキャストを厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲(新人)、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子が務めるほか、大林作品常連の俳優が集結している。(編集部・石井百合子)