年齢が下がるごとに「口汚さ」が増す不思議

実は、日本のアマチュア野球は、ヤジがあまり聞かれない社会人から高校、中学、小学校と年齢が下がるごとに、汚いヤジが多くなる傾向にある。

本格的な野球をしたい子どもが参加する中学硬式野球には、ボーイズ、リトルシニア、ヤング、ポニーなどの団体があるが、こうしたチームの中には、残念なヤジがいまだに飛び交っている。

「ピッチャーびびってるよ」「バッター打てないよ」
エラーした野手に向けて「セカンドまたやるよ」

相手チームの選手を攻撃するヤジはベンチだけでなく、父母などが陣取る応援席からも飛ぶ。

初めて「口汚いヤジ」に接したあるお母さんは、「よそのチームはあんなひどいこと言うんだとショックでした」と話してくれた。

小学校は、さらにひどい。ベンチの子どもが全員で声出しをするチームが多いが、ベンチ要員が相手チームに声をそろえてヤジったりする。

「(チーム名)ピッチャー、へぼピッチャー」「内野はザルだよ、穴だらけ」。チームで代々そうしたヤジが引き継がれていたりする。相手野手がエラーをすると、ベンチや応援席が大声援を上げることもある。

各団体、リーグやチームはヤジを禁止するルールをつくったり、会報などで「人を傷つけるヤジはやめよう」と訴えてはいるが、そういうチームでも、試合でヤジり放題のチームと対戦することはある。

つづく