東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の武藤敏郎事務総長は、「観客数を絞って」大会を開催する可能性を、BBCスポーツの取材で示した。
武藤氏は、来年7月23日に「開会式を開けるよう全力を尽くす」と述べた。

国際オリンピック委員会(IOC)は、大会を2022年に再延長しない考えを表明している。
「全員が大会の来年開催に集中すべきだ。その思いは共通している」と武藤氏は話した。

「このことは(IOC会長のトーマス)バッハ氏と話し合った。彼は中止や再延期を検討することは適切ではないと言っている」
大会は新型コロナウイルスの感染症COVID-19の影響で、すでに1年間延期されている。パンデミック(世界的流行)による死者は66万人を超えており、武藤氏は競技会場を満員にしないで大会を開催する可能性があると認めた。

無観客で開催することもあり得るかとの質問に、武藤氏は、「バッハ氏はそのシナリオは望んでいない」と答えた。
「彼は観客数を絞り、社会的距離に十分に配慮した状況を考えているのではないだろうか」

「東京2020はレガシーを残す」

延期後も「東京2020」と呼ばれる大会は、来年7月23日〜8月8日の開催が予定されている。パラリンピックの日程は8月24日〜9月5日となっている。
ただ、公衆衛生の専門家らは、COVID-19のワクチンや治療薬なしに開催できるのか、疑問を表明している。

「ワクチンが準備できれば助かる。しかし、ワクチンなしで開催できないわけではない。必要条件ではない」と武藤氏は話した。
「人々が安全だと感じる環境をつくる必要がある。選手やIOC関係者には、日本入国の前後に検査を受けてもらうかもしれない。宿泊や移動の面でも、しっかりした医療態勢が必要だ」

「130以上の国が入国制限の対象になっている。今後どうなるかわからないが、すべての制限がなくなると考えるのは楽観的過ぎる。他の方法を考えなくてはならない」
武藤氏はさらに、参加各国のスタッフと代表団の人数の削減や、開閉会式の「簡素化」も選択肢だと述べた。一方で、競技や選手の数を減らす計画はないとした。

「成功すれば、東京2020はパンデミック後の初の主要国際イベントとしてレガシーを残す」
「オリンピックにとって新たな章となる。新型コロナウイルス危機の中で開かれた最初のオリンピックとして記憶されるだろう。そのことを強く望んでいる」

2020年07月30日 15:41
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