本紙の気配の欄を20年にわたり輪番で担当する松田勝也さんは、あの大西満名人もその腕を認めるマルチプレーヤーだ。松田さんがすべての釣りに準備が万端であるということもあるが、この30年で何度も一緒に出掛けたが、尾数だけではなく同行者がうらやむ魚や大物を釣り上げる。
イサギ釣りに出掛けてアルバイトのブリ狙いをする人はいる。しかし、ほとんど釣れないか、もしくは狙いのブリだけで終わることがほとんど。そんな中、松田さんは本命のブリに加えて60センチのコブダイや80センチのサワラも釣り上げる。大勢でタチウオ釣りに出掛けても、メーターオーバーは松田さんに偏って釣れる。大西名人と磯釣りに出掛けた際には、磯の上を歩いているタコを捕獲したというから、名人も感心するやらうらやましがるやら。この人は何か持っている。
▽別格のブランド
16日、松田さんは釣友から今が佳境のタコ釣りに誘われて明石港から早朝5時に出船した。明石のタコは別格のブランドで、当然のことながらブランドの由縁はおいしいからに他ならない。おいしいその理由は、瀬戸内海の環境にある。明石海峡から播磨灘は、タコの好物であるカニやエビが豊富であることがひとつ。さらに海峡は潮の流れが強いため、タコの運動量が自然に豊富になることがもうひとつの理由だ。「明石のタコは立って歩く」という言葉もあるほど、おいしいことを例えるその手の話には枚挙にいとまがない。
▽2・6キロの大ダコ
「二見港の沖、水深8メートルから10メートルぐらいの浅瀬から釣り始めましたが、第1投目から200グラムくらいのサイズが釣れました。8時くらいまで順調に釣れ続きましたが、潮が変わったころからアタリが遠くなりました。9時前だったでしょうか、明らかに違う重みが伝わりました。船長はさすがです。あれだけ満員ぎっしりの釣り人の中でも、即座にマイクで補助員に『大きい!タモ入れ!』と指示を出してくれました。隣の釣友も『これはデカイわ!』と声が出ました。まもなく水面に浮いてきた大物のタコを無事取り込みました」と松田さん。
この日、松田さんは45ハイのマダコを釣り上げ船中では40人中2番目の成績であったが、前述の大物が2・6キロと同船者にもうらやましがられる良型だった。
その日、帰って刺し身と唐揚げでビールがすすんだという松田さん宅の冷凍庫にはまだ、2・6キロの大物が保存されているらしい。とにかく、2・6キロの大ダコの写真、とくとご覧あれ!
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週末のイチオシ気配
■船(1)■東二見・兵庫
鹿の瀬、二見沖に出船してマダコが順調。0.3〜3.0キロが30〜60パイ見込める。タコジグ使用。オモリ50号。
■船(2)■泉佐野・大阪
すこぶるおいしい良型マアジ好調。21日、淡路沖に出て同魚30〜40センチ15尾。サバ、チャリコ交じる。
■船(3)■泉南小島・大阪
落とし込み妙味ある。ベイトの反応次第であるが、高級魚アコウ、ヒラメ、マダイ(40〜60センチ)、ハマチ(50〜60センチ)等が魚種多彩に3〜5尾。
■船(4)■比井・和歌山
日の岬沖に出る半夜釣りでアカイカ上向き。20日、同魚胴長15〜25センチ55ハイ。ウキスッテ2.5号、オモリ60号。
■船(5)■小浜・福井
小浜から敦賀沖にかけてマイカの群れが入った。20日、小浜沖の半夜釣りで同魚17〜37センチ42ハイが竿頭。船中14人で227ハイ。
■磯■大引・和歌山
カゴ釣りでイサギ好調。21日、ヒジキで同魚30〜37センチ17尾。他にフカセ釣りでグレ37〜38センチ2尾(アジカの子)水温24〜25度。
■筏■栖原・和歌山
チヌ順調。21日、湾内イカダで同魚35〜43センチ4尾。サシエはオキアミ、サナギ。エサ盗りはボラ、アジ、ヘダイなど。
■波止■北港・大阪
シラサエビをエサに探り釣りでガシラが釣れている。同魚18〜25センチ20〜50尾見込める。他に落とし込みのチヌは依然好調。連日40〜50センチ2ケタ。
大阪日日新聞 2020年7月24日
https://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/fishing/200724/20200724044.html