舞台「THE★JINRO―イケメン人狼アイドルは誰だ!!―」で新型コロナウイルスのクラスターが発生した問題で、主催のライズコミュニケーションが、劇場の新宿シアターモリエール側の求める感染防止策を守っていなかったことが15日、分かった。劇場のある新宿区の保健所が本紙に明らかにした。

 劇場が加盟する小劇場協議会も14日に発表した報告文を修正。劇場側に確認したところ、同協議会のガイドラインに従った感染防止策についてライズ側と協議したものの「遵守(じゅんしゅ)を徹底していただけなかった」と説明した。

 保健所の担当者によると、施設への立ち入り調査では設備などの基準値はクリアしていたが、ガイドラインで禁止されている会場内での握手や物品販売を出入り口付近で実施。劇場側は再三やめるよう指導していたという。「劇場側の要請を(ライズが)無視していたようです」と担当者。ずさんな感染対策が明らかになった。

 ライズを巡っては、国や政府の指針を超える収容人数を設定していた疑いも浮上している。当初は収容人数130人の恵比寿・エコー劇場(東京)での開催を予定していたが、同劇場の担当者によると「当劇場の座席数ではソーシャルディスタンスを保てないと判断しキャンセルとした」という。しかし既に入場券を販売していたライズ側は、その後、186人収容のシアターモリエールでの開催にそのまま移行したとみられている。

 演劇プロモーターによると、ライズはこれまでも頻繁に韓流俳優らを招き、写真撮影などファンと密に接触する公演を行っていたという。「会場には女性ファンしかおらず、舞台というよりファンミーティング」(同プロモーター)。今回も終演後に楽屋口で待つファンにサインなどを行っていた様子が目撃されている。

 観客と出演者、スタッフ計850人の濃厚接触者を出した公演。ライズの発表によると、この日までの感染者数は計59人に達した。観客への感染もまだまだ収まりそうにない。

スポニチ

https://news.yahoo.co.jp/articles/ec49aa57b92a2a6f15bbabd03243e686e0f621ab