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KAエスマ文庫は京都アニメーション大賞に応募されてきた小説で優れた作品を発売するというレーベルである。
しかしエスマ文庫は一般の書店には売っていない。購入できるのは京アニショップやアニメイトなどに限られる。Amazonでもマーケットプレイス以外では売っていない。

したがってもしアニメがヒットしたとしても小説がバカ売れするということはまずない。
『中二病でも恋がしたい!』『たまこまーけっと』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などの作品に原作が存在していることを知っている人はアニメオタクでも多くないのではないか。

原作が売れないということは印税面での不利益もあるが、原作者の名前が売れないという点では更に厳しいものがある。
先ほどあげた有名作の原作者の名前を知っている人がどれだけいるのだろうか。他のライトノベル原作アニメでは作者の名前が売れるが、それとは明らかに異なっている。

つまり言い切ってしまえば、KAエスマ文庫は、自社に応募してきた小説のアイデアを拝借してアニメを製作し、その原作に対して充分な利益を与えていない可能性も考えられる。
犯人のパクられたというのも、このKAエスマ文庫絡みではないかと考えるのは不自然でもない。もちろん犯人のただの妄想という可能性はあるが。

ただ、京アニ側が完全な悪だと糾弾するつもりは毛頭ない。なぜなら、ほとんどのケースにおいてKAエスマ文庫の原作からアニメへは多くの改変が成されていて、原作のままだけでは、ここまでの人気作になり得なかったと思うからだ。

しかしアイデアというのは創作物において最も重要な部分であり、その発案者に対して金銭だけでなく名声などの対価が充分に得られないというのは、創作者にとっては許せないことだろう。
実際に小説家を目指す人の中ではKAエスマ文庫は、他の賞に引っかからなかった人が最後に挑戦するような場所だと認識されていたようである。