<釣りをしようよ!!>

なかなか梅雨が明けないけど、だからこそおいしい魚もいる。熱海伊豆山港「喜久丸」のイサキ釣りだ。雨が降るごとに皮直下にうまーい脂を蓄えていく。釣りこそ人生と考える俳優哀川翔(58)が乗り込みました。初島周辺の宙層をどう狙うのか? でっぷりイサキ、いざ勝負だ!

本当に久しぶりの釣りだ。3月以来かな。この釣行は6月26日だった。釣りでこんなにブランクがあるのは初めてかもしれない。おかげさまで全然肌が焼けていない。夏なのに白いなんて違和感あるねぇ。

オレらは4人。えーちゃんとスギちゃんとノブさんのいつものメンバーだ。同乗したのは岩城元さん(47=茅ケ崎市)とお父さんの地朗(じろう)さん(75=沼津市)、岩城さんの会社の同僚で須田政美さん(62=茅ケ崎市)の3人だ。ソーシャルディスタンスだから、人数はこんな感じで少ない。でも、これからは新型コロナウイルスと共存していかないといけないだろうから、仕方ないな。安全に釣りができる、そこに感謝しようじゃないか。

聞くと岩城さん一行も緊急事態宣言後は初めての釣行になるらしい。まずはサオを握って、波にもまれて船釣りを楽しもうか。

イサキという魚は面白い魚だ。この梅雨どきに皮の下に脂をたんまりとため込んでいく。だから、皮ははいではいけない。刺し身も皮は残して、バーナーで皮をあぶっていく。皮直下の脂がさ、うめぇんだよ。あぶることで脂のうまさも増幅されて、しかも皮はパリパリだ。そんな刺し身、食ってみたいだろ?

喜久丸の釣りは前半にマダイのいそうなエリアにもいく。おっ、岩城パパ、2キロ前後のマダイを釣ってるじゃないか。何でも狩野川で渡し船の船頭さんをしているとのこと。船の上での身のこなしがいいわけだ。マダイ、良かったね、おめでとう。

タナ(魚の泳層)は海面から25〜30メートルと浅いので、ハリスは3号6メートル。松本早人船長は「1本バリが無難ですね。イサキのタナが広くない。コマセをパラパラぐらいで多くまかずにハリに付いたオキアミに集中させた方がいいですね」と忠告してくれた。なるほどね。

そこでオレの作戦は、置きザオだ。この日はけっこう波が高くて、ちょっと荒れ気味だった。普段のイサキ釣りはサオを手で持つんだが、この波なら固定して、船の揺れがいい誘いになりそうだ。持ちたいところを我慢して、置きザオ釣法で待ってみよう。

来たね、やっぱり。この荒れ具合は利用しないとね。サオをシャクらなくても、少しずつコマセカゴからぽろんぽろんと出るオキアミも適度なんだろう。最初に鋭いキュンとしたアタリがサオ先に出る。小さく合わせてちゃんとハリ掛かりさせる。

海面から飛び出すイサキはおなかがぼってりしてうまそうだ。いいね。岩城さんは刺し身と塩焼きと、小麦粉をまぶしてムニエルにしたという。いい選択だ。オレは伊豆半島でよく食べられている煮付けにしてみた。これもいけるぜ。

梅雨が明けたら「群れもまとまる。これからイサキは面白いです」(松本船長)。さあ、熱海沖のイサキ、ぜひ挑戦してみてくれ。【取材構成・寺沢卓】

ソース 日刊スポーツ
https://www.nikkansports.com/leisure/fishing/news/202007100000412.html
画像
どうだ、きれいなイサキだろ
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タナを外さないように置きザオにして待つ
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きれいなヒレとでっぷりしたおなか。いいイサキだ
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