神戸大などの研究チームが、東京・小笠原諸島の近海で採取した緑藻を調べたところ、アオサなどほかの緑藻とは独立した新属の藻類だと分かった。薄明かりしか届かない深い海の海底で育つことから、「竜宮の藻」を意味する属名をつけた。

 神戸大の川井浩史特命教授(藻類学)らの研究チームは2016年、小笠原諸島の水深30〜60メートルの海底から、長さ約20センチの緑藻を採取した。新種の可能性があるとして遺伝子解析したところ、同年に米国の研究チームがハワイ沖で新種として発見し、「ヤブレグサ属」に分類したものと同種だと判明した。

 だが、遺伝的な系統を調べると、これまでに知られている緑藻のどの属とも独立しており、新属として扱うのが適当だと分かった。竜宮伝説にちなみ、「竜宮の藻」という意味の「Ryuguphycus」と属名をつけた。和名を、小笠原諸島の別名のボニン諸島から「ボニンアオノリ属」、種の名前を「ボニンアオノリ」とした。

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