お笑いコンビ・アンジャッシュ渡部建(47)の不倫トラブル。6月13日放送の「王様のブランチ」(TBS系)では、共演者の佐藤栞里が生放送中に涙を流しながら渡部の出演自粛を報告。「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)では渡部のレギュラーコーナー「もったいないワタベ」は企画名を変更した。

 6月14日放送の「サンデージャポン」(TBS系)ではテリー伊藤氏が「渡部は普通に考えるとセックス依存症ですよね」と発言。SNS上でも、渡部がセックス依存症ではないかと指摘する声は散見される。

 そんななか、6月25日発売号の「週刊文春」で渡部本人が自らの不倫行為を謝罪。インタビューのなかで、渡部は不倫相手の女性は「デートクラブで安全に遊べる子たちというふうに認識していました」「妻と知り合ってから安全な遊び方を知り、そこから抜け出せなかった」と語っている。

 渡部はセックス依存症なのか、そうだとすればそれは治るものなのか――。

  アジア最大規模といわれる依存症専門外来「榎本クリニック」でアルコール依存症を中心に様々な依存問題に携わり、延べ2000人以上の性依存症者の治療に関わっており、現在人気漫画『セックス依存症になりました。』(集英社)の監修をつとめる精神保健福祉部長の斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)に話を聞いた。

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“セックス依存症”は「強迫的性行動症」という疾患

  2010年にタイガー・ウッズが複数の女性とのセックススキャンダルで「セックス依存症」であると告白してから、セックス依存症という言葉は近年頻繁にメディアなどで耳にするようになりました。渡部さんの不倫トラブルでも情報番組のコメンテーターが「セックス依存症ではないか」と指摘していました。

  しかし、実は「セックス依存症」という病名は存在しません。2017年に佐々木希さんがドラマ『雨が降ると君は優しい』(Hulu)で演じた女性はセックス依存症でしたが、作中での診断名は「性嗜好障害」でした。強迫的で衝動的な性的逸脱行動を繰り返しその状態に耽溺してしまう症状が疾患として認められたのもつい最近のことなんです。

 2018年、WHOは疾病などを国際的に統一した基準である国際疾病分類を30年ぶりに改訂したのですが、いわゆる“セックス依存症”と呼ばれる状態を「強迫的性行動症(Compulsive sexual behavior disorder)」という疾患であると認定しました。

■セックス依存症の本質は「性欲が強いこと」ではない

「強迫的性行動症」にはいくつか特徴があります。

a)強烈かつ反復的な性的衝動または渇望の抑制の失敗

b)反復的な性行動が生活の中心となり、他の関心、活動、責任が疎かになる

c)性行動の反復を減らす努力が度々失敗に終わっている

d)望ましくない結果が生じているにもかかわらず、またそこから満足が得られていないにも関わらず、性行動を継続している

e)この状態が、少なくとも6か月以上の期間にわたって継続している

f)重大な苦悩、及び個人、家族、社会、教育、職業、及び他の重要な領域での機能に重大な問題が生じている

 この特徴を見ていると、どんなときでもセックスのことを考えていて、セックスをしたくてたまらない、性欲が人一倍強い、という病のように感じるかもしれません。しかし実は、強迫的性行動症(以下、本稿ではわかりやすくセックス依存症)の本質は「性欲が強いこと」ではないのです。実はもっと複雑で、様々な要因が絡み合った問題なのです。

 私はいままで2000人以上の性依存症患者の治療に関わってきましたが、実は性欲が過剰で抑えられないという人はほとんどいませんでした。

 例えば痴漢の場合、痴漢行為中で半数の加害男性は勃起をしていませんでしたし、行為後射精を伴っていませんでした。あるセックス依存症の男性は、治療のために自慰行為や配偶者以外とのセックスをやめましたが、やめ始めた時期は常にセックスのことを考えていたのに、一定期間を超えると性欲や衝動が劇的に軽減したそうです。多くの性依存者は、生来の性欲ゆえにセックス依存症になってしまうのではない。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

https://bunshun.jp/articles/-/38657?page=1
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