大阪府の吉村洋文知事(44)とノーベル医学生理学賞受賞者で京大iPS細胞研究所の山中伸弥教授(57)が12日、新型コロナウイルスの第2波を食い止めるために強力タッグを組んだ。京大と大阪市立大、大阪府は、府庁で共同研究や検査態勢の充実に向けた連携協定を結んだと発表した。日本などアジア諸国の死者がなぜ相対的に少ないのか? 山中教授が「ファクターX」と呼ぶナゾの解明に乗り出す。

【写真】定例会見を行った大阪府の吉村洋文知事
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コロナの第1波がひとまず収束しつつあるとの見方が広がる中、コロナ危機の顔となった吉村氏、研究者としてコロナの情報を公開し続けている山中教授が動きだした。会見に出席した山中教授は「これ以上、経済への影響が出ると、日本も大阪も、もたない。科学者としてなんとか新型コロナ対策に少しでも貢献できないか探ってきた」と話した。

iPS研と京大医学部付属病院が、大阪市大と共同で新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査について共同研究する。さらにiPS研は今後、大阪府内の医療機関にPCR検査の機器11台を貸し出し、検査数の拡大に結びつける。山中教授は「今まで出来なかった量だけでなく、質の高い検査が出来る」と意気込み、第2波を食い止めるには検査の重要性を訴えた。

山中教授との強力タッグに吉村知事は「1日1400件の検査能力を3500件に増やし、検査の質も上げたい」と応えた。さらに「コロナは未知のウイルス。検査の拡充と質を高めることで、高度な研究をしていき。相乗効果を高めたい」とメリットを強調した。

 日本の死者は欧米に比べ相対的に少なく、感染拡大も緩やかだった。なぜ少なかったのか? マスクや入浴などの衛生習慣、握手やハグといった肉体的接触が少ないことなどがささやかれるが、科学的なファクター(要因)はナゾだ。「絶対に何かある」と話す吉村知事と山中教授。強力タッグが「ファクターX」を探す。【松浦隆司】

6/12(金) 20:41 日刊スポーツ
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