【伊藤詩織さんインタビュー】漫画家はすみとしこ氏らを提訴。
SNSの誹謗中傷など70万件を分析

嫌がらせや誹謗中傷はエスカレートした。自分が行った場所の写真と性器の
写真が同時に送りつけられたこともあり、身の危険を感じたという。

伊藤さんがこうしたSNS上での誹謗中傷、攻撃に対して法的措置を取るために具
体的に動き出したのは、2020年1月ごろ。

Twitter、ヤフーコメント、YouTube動画とそのコメント、
Naver、まとめサイト、ニュースサイト、個人ブログ、Facebook、トレンドブロ
グ、Yahoo!知恵袋、2ちゃんねる(5ちゃんねる)、はてなブックマーク、
Togetter(トゥギャッター)など、ウェブサービスを横断的にチェック。伊藤
さんの誹謗中傷をリサーチした。

「伊藤詩織」「I.Shiori」、さらには隠語として使われた「オシリちゃん」
「伊●詩織」「尹詩織」など、数十以上のワードを見つけ、問題投稿を収集。
特に投稿を繰り返し、その投稿が多くの人にされている「オピニオンリー
ダー」を突き止めていった 。

対象となった投稿全体数は、70万件を超える膨大な量だった。

今回提訴するのは、はすみ氏に加え、はすみ氏の投稿を繰り返しシェアしてい
たユーザー2人も含まれる。

「シェアしたり、いいね!することも誹謗中傷に加担していることになる、
その責任はあるんだと、今回示したかったんです」(伊藤さん)

さらに今回の分析を活かして、これから他のプラットフォームでの各投稿に対
しても情報開示請求を行った上で、同様の法的措置を行っていくと伊藤さんは
話す。

「Twitter社に開示請求をしなくても個人を特定する方法はいくらでもある。
開示請求ができないからと安心しているといきなり訴状が来る」
(訴訟を担当した山口元一弁護士)