入社したての頃会社の先輩にJリーグ観戦に誘われた。
特に興味はなかったが、断れずついていくことになった。
その日は平日であいにくの雨。
さらに浮かない気分になったが、仕事終わりに先輩の案内でスタジアムに向かった。
会社からバスで市内中心の駅に着きそこから沿線で片道20分。
ここが一番の最寄だという駅からさらに雨の中徒歩で15分以上歩かされて、ようやくスタジアムの形が見えたときにはクタクタになっていた。
何とか試合開始には間に合ったが、チケットの席には屋根がついていない吹きっさらし。
試合開始と同時に雨が強くなってきたので傘をさすと先輩から「周りに迷惑だから傘はさすな」と怒られた。
周りはガラガラで迷惑にならないのになんでいけないのかよくわからなかったが、反論できず従った。
先輩はチームカラーのポンチョを持ってきていてそれを着こんでいたが、自分は大雨の中ずぶ濡れ、夕飯用にコンビニで買っておいた弁当も水浸しになった。
試合の記憶は一切なく、ただだ90分が早く終わることだけを願っていた。
こんな苦行のような観戦をさせられて以来サッカーが大嫌いになり今もその気持ちは変わらない。