◆制作は大阪・読売テレビ もう1つ見逃せないのは、制作サイドのコロナ対策。5月7日と21日の放送は、「大阪1県SP」と掲げ、2週に渡って大阪だけをフィーチャーしているが、これが示唆に富んでいる。 当番組の制作は日本テレビと思われがちだが、実は読売テレビであり、大阪は地元。
大阪府民とその文化、さらにこれまで繰り返してきた大阪イジリは、番組のシンボルだっただけに、最も自信のあるネタを投入して勝負を賭けたのではないか。
大阪出身の久本とケンドーコバヤシが熱っぽく語り、それに田中が「ぜんぶおかしいよ。何考えてんの大阪」と強めに返して盛り上げたのは、そんな制作サイドの意図を汲んだからだろう。現在は苦しい時期だが、ここで“東京の田中vs大阪の人々”という図式を作り上げてしまえば、今後はさらなる看板企画になっていきそうだ。

話を冒頭の世帯視聴率に戻すと、この番組はもともと10%前後ではなく13%以上のポテンシャルを秘めている。関東エリアを除く全国の道府県にとっては、地元が全国放送で採り上げられる誇らしさがあり、一方で東京に住む人々の中にも地方出身者が多いだけに親近感を抱いて見てもらえる可能性が高い。
さらに言えば、東京では大半のご当地料理が味わえるほか、全国のアンテナショップも人気スポットとなっている。本来、47都道府県すべてにネットワークを持つNHKが手がけるようなスケールの番組であり、それをキー局の日本テレビではなく大阪の読売テレビが制作していることが何とも意義深い。
まだ思うようにロケやスタジオ収録ができない苦境が続いているが、全面解禁されたら、日本各地の人々が元気な姿を見せ合う、これまで以上に活気のある番組になるだろう。