→OPSから見るフライボールの効果
→バイオメカニクスからみるフライボールの効果
→「バットを最短距離で出す」の真意とは?
→フライボールの方が成績は良くなる?!

「ボールを上から叩け!」。多くの選手がこの指導を受けたことがあるだろう。しかし近い将来、この指導が変わるかもしれない。メジャーリーグではStatcastの出現により、打球速度や打球角度を評価できるようになった。今回は、それらのデータを元に「ボールを上から叩け」という野球指導について考えてみたい。

■OPSから見るフライボールの効果

データを分析していく中でまず最初に分かったのは、フライ打球は「長打率」において非常に効果的ということ。表をみると、ゴロ打球に対しフライ打球は長打率が非常に高い。となるともちろん、セイバーメトリクスの指標であるOPS(出塁率+長打率)も高い成績となる。

続けてメジャー過去10年のデータを分析すると、実はOPSは打率よりも得点との相関が高い事が明らかとなった。つまり、フライ打球は長打率やOPSを向上させ、ひいては得点の向上に大きく寄与すると言えるのだ。
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また、打球そのものを分析できるようになったことで、最適な打球角度も浮かび上がってきた。表2を見ると最も高い長打率を記録しているのは、打球角度が20度台のときであった。このようにStatcastによって最適な打球角度を客観的な数値として、目標に設定できるようになった。

「フライ打球の有効性」そして「どんな打球を放てばいいか」が明らかになってきたことで、メジャーリーグではいわゆる「フライボール革命」に拍車がかかった。実際に、2017年にはMLB歴代最多の本塁打数(6105本)を記録することとなった。

■バイオメカニクスからみるフライボールの効果

近年、スイングに関する研究も急速に進んでいる。研究結果によると、打球速度が高いほど飛距離は大きくなりやすく、打球の回転速度よりも打球速度を高めた方が有効であることが明らかとなっている(文献1)。

また、直球を打つ場合はバットが水平面よりも19度上向きの軌道、つまり19度アッパースイングでボール中心の0.6センチ下側をインパクトすると飛距離が最大化するとされている。投球されたボールは落下しながら打者へ向かってくる。多くのフライ打球を放ち、かつ遠くへ打球を飛ばすには、アッパー気味の角度でインパクトを迎えるスイングが効果的と言えるのだ(図3)

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続きはソースで

https://www.baseballgeeks.jp/batting/上から叩くな!just-say-no-to-ground-balls/