ムード歌謡コーラスグループの純烈が、新型コロナウイルスの影響で今後の活動継続を危ぶまれているという。

 スーパー銭湯などでのライブを主な活動としてきた純烈は、イベントができなくなってしまったいま、活動を存続させる手立てがなくなっている。
 純烈のリーダー・酒井一圭は4月22日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)に出演。番組は「“イベント自粛”の波紋 文化を守れるか」という特集で、酒井は2月27日以降ステージに立つことができなくなり、収入が絶たれたことから事務所のダメージも計り知れないことを示唆していた。

 酒井は<当然、純烈を続けたいっていう思いはあるんですけど、僕らも収入がないと生きていけなくなっていく。その時に家族を守るっていうことを考えると、できなくなりますよね、必然的に>とまで発言し、グループの存続について考え直さなくてはならない可能性もあると言及していた。
 状況はその後も、好転していない。放送から約1カ月後、5月17日付デイリースポーツのインタビューで、酒井は4月の収入が0円であったと明かし、<これまでも俳優のオファーはきていたんですが、純烈を優先していた。分裂してバラ売り、みたいなことはありますよね。純烈から分裂になる方が、コロナの今にあっているのかもしれない>と、グループとしての活動停止を視野に入れていると語っている。

 「純烈が“分裂”」というアイデアは、コロナ禍の前からあったという。今年1月、イベントの壇上で、現在のメンバー4人がそれぞれリーダーとなって各々が新たな純烈をつくる「暖簾分け」の可能性を話したことがあった。しかし、今回出てきた「分裂」構想は、そのような発展的分裂とはまったく意味が異なるだろう。

 今回、表に出て窮状を明かしたのは純烈だが、もちろん大変なのは彼らだけではない。ミュージシャン、アイドル、お笑い芸人、舞台俳優など、ステージに立つ仕事で生計を立てていた多くの人が、キャリア存続の危機にある。ステージの裏で働く人々も同様だ。
 首都圏と北海道以外は緊急事態宣言が解除されたが、ライブハウスなど人が密集する場所がこれまでのような賑わいを見せる日はそう簡単には訪れそうにない。感染症の流行は第二波、第三波も懸念されており、コロナ以前のライフスタイルに戻すことは難しいだろう。となると、芸能関係者もライブではないやり方での公演方法を模索していくほかなさそうだ。
https://wezz-y.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/jyunretu-min.jpg
https://wezz-y.com/archives/77210