スポーツ報知は新聞休刊日の5月7日付け紙面でプロ野球12球団と近鉄、日本人メジャーの計14チームのベストメンバーを選出した。巨人からの選出は、画像の通りとなった。

 1934年創立の巨人。プロ野球をけん引し続けてきただけに、オーダーどころかベンチ入りメンバー選出にも候補者が多くてうれしい悲鳴だ。まず、投手陣。巨人だけで200勝は別所毅彦のほか、中尾碩志(209勝)、堀内恒夫(203勝)の計3人。1リーグ時代を支えたスタルヒン(199勝)、年間19完封の記録保持者・藤本英雄(183勝)、11試合連続完投勝利の斎藤雅樹(180勝)。これにノーヒッター3度完成しながら戦火に散った初期のヒーロー、沢村栄治(63勝)に、江川卓(135勝)。このメンバーなら抑えはいらない。誰か一人なら日本シリーズ最多記録の11勝、オールスター戦、20回以上投げた投手ではベストの防御率1・44の堀内を選ぶ。ピッチングだけで無く、守備、けん制も抜群。それに通算21本塁打した打撃とすべて一級品だった。

 野手陣で不動と思われるポジションはオーダー表にあるように、捕手・阿部慎之助、一塁・王貞治、三塁・長嶋茂雄、遊撃・坂本勇人、右翼・松井秀喜、DHの川上哲治の6人。巨人在籍10年間ながら3度MVPの松井、在籍は他の選手より短いがまずは異論がないところだろう。捕手は通算11度日本一メンバーだった森昌彦がいるものの、圧倒的な打撃力で阿部に軍配だ。

 微妙なのが残り3ポジション。二塁は篠塚和典のほか、プロ入り当初守ったことのある原辰徳(382本塁打。1093打点)、第一次、第二次と川上とともに巨人黄金時代を引っ張った千葉茂(通算打率2割8分4厘)。私は、通算出塁率が歴代14位の3割8分4厘と川上、長嶋を上まわるしぶとい打撃と巧みな二塁守備を誇った千葉を入れたい。

 中堅、右翼の柴田勲、高橋由伸以外の候補には、巨人での通算打率が3割2分1厘のクロマティ、3割1分6厘の与那嶺要がいる(柴田は2割6分7厘、高橋は2割9分1厘)柴田にはセ・リーグ最多記録の579盗塁。与那嶺には首位打者3回という勲章もある。生え抜きで強肩好守もあった柴田と、勝負強さも兼ね備えたクロマティを選びたい。さて、打順だが、これも難しい。1番・柴田、2番・松井、3番・王。4番・長嶋、5番・川上、6番・クロマティ、7番・阿部、8番・坂本、9番・千葉。

 近年メジャーの2番最強説から松井を2番に置けば、座りが良くなる。(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)

 【選出ルール】野手はポジションごとに当該球団の通算出場数、投手は勝利数を優先。複数球団に所属した選手は、出場試合数が最も多い球団とした。画像のオーダー選出に筆者は関わっていない。
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