1979年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』は本放送が打ち切られたにも関わらず、再放送で爆発的な人気を獲得し、
関連商品であるプラモデルも「ガンプラ」と呼ばれ社会的に注目を浴びるほどの大人気となりました。

1980年7月に発売された「1/144 RX-78 ガンダム」を皮切りに、今なお新作が続々と発売されるガンプラ。
その最初期の思い出を、一番初めに買ったガンプラは「1/144アッガイ」だったライターの早川清一朗さんが語ります。

正直に言って、いつ自分の周りに「ガンプラ」ブームがやってきたのか、はっきり覚えているわけではありません。
当時の筆者はまだ小さい子供だったのです。ただ、最初に買ってもらった「1/144アッガイ」の発売日は1981年8月なので、
それ以降なのは間違いないと思います。

 ある日、いつものように学校に行くと、クラスの男子たちが、みな興奮した様子で何かを話し合っていました。
何を話しているのか聞いて見たところ、その日の放課後に、近所のスーパーのおもちゃコーナーで、
「がんぷら」なるものが発売されるということでした。

そのとき、筆者は「がんぷら」が何か知らなかったのでそれも聞いてみたところ、
クラスメイトは「そんなことも知らないのか」という様子で、アニメ『機動戦士ガンダム』のプラモデルだと教えてくれたのです。

筆者も『ガンダム』は再放送を見ていましたが、それまでプラモデルと言えば、
せいぜい1個100円の『ビッグワンガム』を何個か買ってもらったことがあるだけで、それほどなじみのあるものではありませんでした。
それでも、クラスメイトたちがこれほど夢中になっているということは、一緒に買いに行かなければ明日の話題に入れないことは目に見えています。

こうしてその日の放課後、急いで家に帰った筆者は母親に頼み込んで500円札を1枚出してもらい、
ガンプラを売っているスーパーマーケットへと走ったのです。

筆者がスーパーマーケットにたどり着いたとき、店の前は子供とお母さんたちですでにごった返していました。
おもちゃ屋はスーパーマーケットのなかにあったのですが、あまりにも人が多すぎたためか駐車場に臨時の販売所が作られており、
そこにガンプラの箱が山積みとなっていたのです。

たぶん列はあったはずなのですが、既に到着している人たちと、後から押し寄せてくる人たちで混乱しており、
販売所の前で押し合いになっていました。筆者も最初は並んでいたと思うのですが、気づけば人の波に押され、
訳が分からない内に販売所へとたどり着き、「ひとり一個までね」と言う店員さんにうながされ、手近にあったガンプラの箱をひとつ確保したのです。

それが「1/144アッガイ」でした。
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>>2に続く