春の新番組で目を引くのは、お笑い系の番組が増えたこと。
それに伴い、芸人の新顔が数多く起用された。近年、情報や教養系が多かったバラエティ界では、純粋なお笑い番組が新規でレギュラーに加わることはほとんどなかった。
だが昨年から、20代を中心とする「第7世代芸人」の盛り上がりがあり、状況が大きく変わっている。新たにラインアップされた番組の内容を紹介しながら、テレビを楽しむ3つのポイントを紹介しよう。

久しぶりに活気を取り戻したお笑い系。まず、特番でファンを増やしてきた『有吉の壁』(日本テレビ系)が、水曜19時のゴールデンでレギュラー放送になった。

そして、第7世代芸人にスポットを当てた2番組が登場。『第7キングダム』(日本テレビ系)は、霜降り明星、ハナコ、EXIT、3時のヒロインの4組が出演する、“新キャラ育成”バラエティ。
コントキャラとロケ企画を融合させて、フィクションとリアルの間で、新たな笑いを生み出す。『霜降りミキXIT』(TBS系、初回放送日未定)は、霜降り明星、ミキ、EXITの3組がMCを務めるトークバラエティ。
ワンランク上の男になるためにゲストからレクチャーを受け、その極意を学んでいく。これで霜降り明星とEXITは、レギュラーを2番組増やした。

定番ジャンルでは、クイズ、トーク、グルメと、それぞれ新企画がスタートする。
『クイズ! THE違和感』(TBS系)は、映像や写真にある違和感に気付くかで競う、視点を変えたクイズ番組になる。
学力や知識ではなく、感性や直感力が問われる。MCは千鳥のノブが務め、大悟はレギュラー解答者としてスタジオを盛り上げる。
このほか、12年から続く『有吉ジャポン』(TBS系)がリニューアル。人の本性を見抜けるかをクイズ形式で試す『有吉ジャポンII ジロジロ有吉』(初回放送日未定)にリニューアルする。

トークバラエティでは、抜群の安定感を持つ2組、サンドウィッチマンとバナナマンがタッグを組んだ『バナナサンド』(TBS系、初回放送日未定)がレギュラーに。過去4回の特番で好評を得た。
トークだけでなく、ゲストと共に、ゲームやコントなどさまざまな企画を展開する。

グルメでは、大食い系を得意とするテレビ東京が、『デカ盛りハンター』(テレビ東京系)をラインアップ。同局が発掘してきた大食いスターが、さまざまなデカ盛りにチャレンジする。
また、不定期放送してきた『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)が日曜のゴールデンで約1年ぶりに再レギュラー化された。

個人的な興味を深掘りする番組は2つ登場。『これって私だけ?』(テレビ朝日系、初回放送日未定)は、ネット検索では出てこない、でも自分の目で見てみたいものを、全国各地を回って捜索する。
過去の特番では、「平成の31年間ずっと売れ残っている商品」や、「贅を尽くした自宅風呂」などが紹介された。俳優の沢村一樹と旬のミルクボーイという、新鮮味のあるタッグも見どころだ。
有田哲平がMCの『有田プレビュールーム』(TBS系、初回放送日未定)は、芸能界やスポーツ界の有名人が、私生活で密かに楽しむ趣味や独特の価値観をVTRでプレゼンする。

『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)は、占い師が街で出会った人に声をかけ、その場で占うというドキュメントバラエティ。
家庭や恋愛、仕事などの悩みに切り込み、メッセージを率直に伝えることで、現代に生きる人のリアルが浮き彫りになる。占いの1カ月後にインタビューをしているのも興味深いポイント。
そのほか、『関ジャニ∞クロニクルF』(フジテレビ系)が月曜23時でスタートした。こちらも“秘密基地”をコンセプトに、メンバー5人が共通して持っている遊び心を前面に出した、ドキュメント要素の強いバラエティになっている。
(ライター 内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2020年5月号の記事を再構成]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200516-00000005-nikkeisty-ent
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200516-00000005-nikkeisty-ent&;p=2