突如すっぴんを公開した美川憲一、常に攻めの姿勢の美学と哲学

 歌手の美川憲一(73)は、13日発売の新曲「夜の花」のキャンペーンがコロナの影響で中止になった。しかし、この人は切り替えが早い。「落ち込んだって仕方がないでしょ? 毎日忙しくって」と外出を控えながらも、全然ステイしていなかった。筋トレを日課にし、先ごろ、インスタグラムで突然すっぴんをさらして衝撃を与えた。ここには、活動再開時にグレードアップした姿を見せるため、負荷をかけて心身を追い込んでおきたいという、美川流の美学と哲学があった。

 休日だろうと基本的に365日、1日1度は外出する主義だったの。それが今できない。焦ったわよ。でもだらだら、ぼ〜っと過ごすのは好きじゃない。

 スクワットを始め、汗をかくまで足腰のプチ筋トレを毎日のルーチンにしたわ。自慢じゃないけど、自宅は狭くないからウロウロ動き回るだけでも運動にはなってるんだけどね。2年前に左くるぶしの上の骨を骨折した苦い経験もあるから。足腰を弱らせちゃ絶対ダメ。正直に言うと、隅っこに追いやっていたいろんな器具を引っ張り出してきたの。買ったままになってた物が、まさかこんなに役立つとはねぇ。

 え? 私のこんな地味な格好見たことないって? 当たり前でしょ。自宅もど派手だったら変でしょ。家では地味なの。スタッフがこの記事のために写真撮ってくれたんだけど。ついつい取材と聞くとさらに張り切っちゃって。何かサービスしなきゃ、とカメラ目線になっちゃったじゃない。危ないったらありゃしないわよ。この前、自分のすっぴんをインスタに上げたの。周囲から「さすがにそれはやめた方が…」と猛反対されたんだけど。でも私、肌には自信があったから。毎日お肉を適量食べてる効果もあるわ。性分で常にみんなを驚かせたい、楽しませたい、という気持ちが働いちゃうの。でも肌きれいでしょ?

 この見られるという、プレッシャーがいい緊張感を生むの。お肌の手入れにも力が入るわ。でももう、これ以上びっくりさせるとしたら、上半身裸になるぐらいしか残ってないわね。

 声帯も筋肉だと思うからボイストレーニングの自主トレも少々。近所迷惑にならない程度に。私って朝起きてすぐでも、あの声で歌えるのが自慢。寝起きの声とは無縁。でもこんなに家にこもったことはないから、声帯のストレッチも大事ね。

 それと昔出したB面の曲をじっくり聴き直しているの。残念ながらヒットはしなかったものの、いい歌ばかり。またこの中から選んで披露するつもり。自分の歌手人生をじっくり振り返る時間をもらえたのはありがたい。

 芸能界のご意見番とも言っていただいてるから、最近は口寂しくってたまらない。ニュース番組や新聞も見て読んでチェックしてるわよ。いつでも発動できるようアンテナはビンビン。巣ごもりとか言うけれど、こんな感じで毎日忙しくって。ステイホームしながらステイせず。どんなときも「攻めの姿勢」だけは失いたくないわね。(談)

 ◆美川 憲一(みかわ・けんいち)本名・百瀬由一。1946年5月15日、長野県生まれ。73歳。俳優志望だったがスカウトされて歌手に。65年「だけどだけどだけど」でデビュー。3作目の「柳ケ瀬ブルース」が大ヒット。「新潟ブルース」「釧路の夜」と立て続けにヒットを飛ばす。一時低迷したが80年代後半、コロッケが美川のモノマネで「さそり座の女」を歌って再ブレイク。NHK紅白歌合戦には26回出場している。

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