TVドラマで演技が最も上手いと思うお笑い芸人で第2位の塚地武雅。  写真:田村翔/アフロ(エランドール賞に出席した塚地 2016年2月4日)

コロナ禍の影響で、春ドラマは新作が延期され、過去の名作が再放送されている。

こうしたドラマの大半で、お笑い芸人が重要な役を担っている。

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例えば放送が延期となった日本テレビ『未満警察 ミッドナイトランナー』では、ネプチューンの原田泰造が刑事役でハードボイルドな演技を見せる予定だった。

同じく日テレ『ハケンの品格2』では、ドランクドラゴンの塚地武雅が部長役で登場する。

現在放送中の大河ドラマ『麒麟がくる』でも、ナインティナインの岡村隆史が、菊丸というミステリアスなキャラクターを好演している。

◆演技達者ランキング

インターネット調査のパイルアップ社は、マーケティングリサーチ用の登録モニター6000人から1200人を抽出し、「テレビドラマで演技が最もうまいと思うお笑い芸人」のアンケート調査を実施した。

それによると、原田泰造と塚地武雅が1〜2位となり、3位以下を大きくリードした。

そして3位のビートたけしから、6位の劇団ひとりまでは定評のある芸人が並んだが、今回は7位に岡村隆史が入った。これまでちょい役で数回ほどドラマに出演した程度の岡村が、大河ドラマに抜擢されランキング入りを果たした。『麒麟がくる』の影響力の大きさを示すエピソードと言えよう。

女芸人では、イモトアヤコが10位に入った。

ここ数年で連続ドラマに出る機会に恵まれ、みるみる頭角を現している。日テレ『世界の果てまでイッテQ!』の高視聴率も相まって、イモトの存在感はどんどん高まっているようだ。

◆男女年層別ランキング

今回の調査で興味深いのは、単なるランキングにとどまらず、男女年層別の支持が見える点だ。

例えばイモトアヤコは、全体では10位だが女性10代では1位に輝く。

やはり『イッテQ』が小中高生に人気という点が大きい。さらに日テレ『家売るオンナ』(16年夏と19年冬)に出演し、やる気のなさと癖の強い白洲美香役がはまり、若年層に強烈な印象を残した点が大きいだろう。

逆に全体で6位だが、男性20〜30代でトップとなったのは劇団ひとり。

お笑いタレントだが、司会者・俳優・声優・作家と幅広く活躍する。俳優としてはフジテレビ『電車男』で、主人公(伊藤淳史)のオタクの師匠格として強烈な印象を残した。

劇団ひとりは、他にもNHK大河ドラマに2度出演し、伊藤博文にジョン万次郎と全く異なるキャラクターを好演している。さらに小説『青天の霹靂』を執筆し、その映画化で監督・脚本を務めるなど、才能の幅は定評がある。

逆に中高年に高く評価されているのは、ビートたけし・塚地武雅・原田泰造の3人。

ビートたけしは言わずと知れた漫才ブームの火付け役で、お笑いビッグ3の一角を担う。80年代から数々のドラマや映画にも出演しているので、俳優としても大御所の大御所だ。

主演では宗教団体の教主・暴力団の組長・歴史に残る犯罪者・落語の名人・本人役など、役者としてこれだけ多様な演技をこなした俳優はいない。

しかも映画でも、自ら監督する作品に出演すると共に、名監督の数々の映画にも出演している。

出演本数の多さと役の多様さから、高評価となるのは当然だが、なぜか若年女性の支持がない。毒舌と下ネタ、最近の滑舌の悪さが災いしたのか、結果として全体3位に甘んじている。

男性50代・60代・女性40代で首位、女性50代・60代で2位となったのが塚地武雅。

“ぽっちゃり&ブサイク”キャラで、彼の右に出る者はいない。大河ドラマや朝ドラをはじめ、日テレ『花咲舞が黙ってない』、テレビ朝日『緊急取調室』などの人気ドラマで、名バイレイヤーを担ってきた。

男女10代を除くと、幅広い層で高く評価されている点が、総合2位の実力と言えよう。

そして総合1位は原田泰造。

女性50代でぶっちぎりのトップ。他に女性60代・30代・20代でも首位、他の層でもほぼベスト3に顔を出している。

「かっこいい」「イケメン」の声もあるが、大河ドラマ3回、朝ドラ1回に出演する他、連続ドラマでも何度も主役を演じている。またネプチューンとして数々のバラエティにも出演しており、これが幅広い層でのベスト3につながっていそうだ。

5/7(木) 11:02配信
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