新型コロナウイルスの影響で世界的に自宅待機する人が多いなか、高い人気を誇るNintendo Switchのゲーム「あつまれ どうぶつの森」。裏技を封じるために突如として実施されたゲーム内での金利の引き下げからは、この世界が決して“楽園”などではなく、後期資本主義の世界であることを改めて思い知らされる結果となった。
新型コロナウイルスの影響で英国がロックダウン(都市封鎖)されている間、ずっと「あつまれ どうぶつの森」でタランチュラを捕獲していた。「あかいわふうのはし」の建設費用を支払うための、孤独で恐怖を感じる作業だ。

真夜中に狡猾なクモと向き合っていない日中は、屋外でせっせと働く。木を揺らし、岩を叩き、獲物がいなくなるまで海で釣りをする。飛行機代を出す余裕があれば別の島へ行き、その島の資源もすべて回収して、懐がいっぱいになるまで貯め込む。

ただひたすらコツコツと働くのみだ。唯一の人間であるプレイヤーは、ぎこちない動物たちのコミュニティのなかで生きている。動物たちが島という監獄をフラフラさまよっている間、プレイヤーはあり得ないほどの富を蓄え、もっとあり得ないほどの借金を支払おうとする。それが「あつまれ どうぶつの森」での生活だ。一見かわいらしい箱庭シミュレーションに見えるが、その中身は中毒性のある道徳劇なのである。

イカソース
https://wired.jp/2020/05/06/animal-crossing-new-horizons-capitalism/