■ PCR検査

さて、筆者がずっと気になっているのが、検査の問題だ。

世の中は、「PCR検査増やせ派」と「検査増やしても大して意味ない派」、真っ二つに分かれている。いや、どちらかというと、新聞、タブロイド、テレビは「検査増やせ派」が大半ではないか?

それぞれに言い分がある。

「検査増やせ派」は、PCR検査(注1)が少ないから感染者数が少ない。もっと検査しないと、感染の広がりがわからない。と主張する。

一方、「検査増やしても大して意味ない派」は、PCR検査そのものの感度が低い中(注2)、検査数をやみくもに増やすと医療崩壊につながるので得策ではない、と主張する。

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実は、メディアの報道ぶりについては、医療従事者がネット上で活発に意見交換をしている。そのやりとりを丁寧に見ていると、メディアの報道ぶりと、医療界の意見がかなり乖離している事に気づく。メディアの報道だけを見ていると圧倒的に「検査増やせ派」、すなわち日本のPCR検査数の少なさを問題視する意見が多いのだ。しかし、ウェブ上ではそれに異を唱える医療従事者が少なからずいる。これはどういうことか。筆者は当初から違和感を感じていた。

そもそもテレビは先に述べたように放送法がある以上、両論併記すべきだし、どちらかの立場を支持するにしても、その根拠を示すべきだ。今回の場合だと、PCR検査と感染者数や致死率などとの相関関係をきちんと示さねばならない。もし自分たちでできないのなら、それこそ専門の医師か学者に頼めばいい。

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