緊急事態宣言を受けて休館を決めた横浜市のミニシアターでは、厳しい経営を支えようと、営業再開後に使える鑑賞券などをセットにした商品の販売を始め反響を呼んでいます。

横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」では、これまで感染防止の対策をとりながら営業を続けてきましたが、緊急事態宣言を受け、8日から休館しています。
すでに先月の売り上げが例年の6割ほどに落ち込んでいることから、人件費や映画の使用料などを支払うための収入を確保しようとインターネットで商品の販売を始めました。

販売するのは6月以降に使える鑑賞券と、特製ポストカード、そしてミニシアターを応援してくれた人として映画の前後にスクリーンに名前が表示される権利をセットにしたものです。
1セット3000円で販売を始めたところ、常連客などの口コミで広がり、3日間ですでに800人以上が購入したということで、「再開したら必ず行きます」とか「思い出がある映画館なので頑張ってください」といったメッセージもあわせて送られているということです。

支配人の梶原俊幸さんは「少しでもご協力をお願いできたらと販売を始めたが、想像を超えた反響でメッセージもいただき、ありがたい。安心して映画を楽しんでもらえる準備を進め休館の1か月を乗り切りたい」と話していました。

全国では、映画関係者やファンの間でミニシアターを支援しようという動きも広がっています。

このうち「SAVE the CINEMA」プロジェクトは、ミニシアターは地域の文化的な拠点で新進気鋭の作家の育成の場でもあるとして、
営業自粛などによる損失の補償や終息後のイベント開催などへの支援を国に求めようと、今月6日からインターネット上で署名を集めています。

担当者によりますと、映画監督の是枝裕和さんや俳優の井浦新さんなど映画関係者や団体が呼びかけ人として名を連ね、署名が集まった段階で国に要望書を提出することも検討しいるということです。
また、全国のミニシアターを金銭的に支援しようとクラウドファンディングの動きもあるということです。

04月11日 13時12分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200411/1050009796.html