「断腸の思いですが、4月19日の『RIZIN.22』を中止にさせていただきます」──4月2日の会見でRIZINの榊原信行CEOは、新型コロナウイルスの影響による横浜アリーナ大会の中止を発表した。
5月17日に予定されていた「RIZIN仙台大会も併せて中止」が決定。
「少なくとも4月、5月、6月は大会を開催しません」と2020年の上半期の大会の自粛を発表している。

朝倉未来&海の兄弟をはじめ、マネル・ケイプ、トフィック・ムサエフの2大王者の参戦も予定されていた4月大会。しかし、ケイプは会見の前々日にUFCとの契約を発表していた。

刻一刻と状況が変わるなか、榊原CEOはどんな決断を迫られていたのか。
ぎりぎりまで開催が模索されていた大会中止の経緯、ひっ迫する団体運営、ケイプ離脱、
五輪アスリートのスカウティング、そして、急浮上した“真夏の格闘技の祭典”──その真相を榊原CEOに聞いた。

◆出場を予定していた選手たちを金銭的に負担してあげなくてはいけない

――4月2日の会見で榊原信行CEOは、4.19『RIZIN.22』横浜アリーナ大会の中止を発表しました。

すでに券売も始まっているなか、中止発表はギリギリまで待った形だったと思うのですが、その経緯を教えていただけますでしょうか。

「いずれにしても、我々としては大会を開催したいということが大前提にありました。
朝倉未来選手と朴光哲選手の試合が正式発表はされないまでも、2月の浜松大会でああいう形(リング上で朴の対戦要望を未来、運営が承諾)で成立していたので、チケットの先行予約も非常に好調でした。
この春先からの2020年のフジテレビさんの放送枠もいただいていたので、なんとか実現させたいということが第一義にありました。

そんななか、コロナの感染状況は3月の時点で日に日に変わっていました。
1週間後のことや明日のことさえ分からないという状況で、それが好転することをずっと期待して、とにかく3月いっぱいは待とうと。
3月末時点では、プロ野球も4月24日に開幕をすることを前提に動くことも発表されていて(※6月以降に開幕の見通しに)、
4月3日からJリーグも再開予定だった(※J1は5月30日以降再開も未定)。そういったなかで、一足飛びに、我々が先に『中止にします』ということを宣言するよりも、
もう少し世の中の趨勢やムードを見て、ギリギリ3月いっぱいまでは考えようという形でした。

それに、ほんとうに経済的なことがとても大きな要因でした。中止にしてすでにチケットを買っていただいている方に返金をして返金手数料も払って、会場費の負担はどうなるのか。
K-1も同じようなことで悩んだと思いますが、出場を予定していた選手たちも、中止にしたからといって、
そこまでトレーニングをして追い込んだ部分を金銭的に負担してあげないわけにもいかないだろうと。
選手たちは試合をして初めてファイトマネーをもらえるんですが、そこまでの準備のための苦労とか、そこに向けてトレーナーを雇っている人たちに対する支払いも発生している。
そこも考えてあげなくてはいけない。
そういった選手の投資と回収なども総合的に判断をして、4月になってなんとか感染が少し収まってくればいいなという期待を込めて、ギリギリまで様子を見ていたんですが、残念ながら、日に日に状況は悪くなっていた。
 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00010000-gkakutogi-fight
4/11(土) 12:13配信

https://www.youtube.com/watch?v=7IjQQc3vZDQ
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