村本大輔が堀潤に聞く「分断を前に私たちができることは?」
ジャーナリスト・堀潤さんが監督を務めたドキュメンタリー映画『わたしは分断を許さない』が公開中だ。
堀さんと旧知の仲であるウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが聞き手となり、「知ることの先には何があるのか」ぶつけてもらった。
https://m.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e86e9f4c5b6d302366dc904?utm_hp_ref=jp-homepage&;ncid=other_homepage_tiwdkz83gze&utm_campaign=mw_entry_recirc


現在公開中の堀潤さんの2本目の映画作品『わたしは分断を許さない』は、タイトルどおり分断をテーマにしたドキュメンタリー映画だ。
世界の様々な地域で起きる問題の根底には人々の分断があるのではないか、分断が疑心暗鬼を生み、それはやがて差別や排斥につながるのではないか。

そんな危機感が堀さんに、この映画を作らせた。

堀:社会が良くなるかどうか、ということの前に、みなさんに知る機会がもっと増えればいいなと思っています。

世の中には、悪意はないけどただ知らないだけ、それが回り回っていろんな問題や分断につながっているような気がするんです。

この映画を作ったのも、世界のいろんな問題に対して、今まで抱いていたイメージと実態は違うんだなと観た方に思ってほしくて作ったんです。

震災発生から一週間ぐらい経ったころ、以前からお付き合いのあった福島市内の銀行員の方の車に乗せてもらった時の話です。

その方は震災の日、給水車の列に子供と一緒に並んでいて、その時雪が降ってきたことについて、「あれは放射能に汚染された雪だったんですね。
報道の皆さん、知っていたのなら教えてほしかったです」とおっしゃったんです。

実際、そこはホットスポットだったことが後にわかりました。

もちろん、事故当日にはわからなかったことも多いし、テレビではいろんなことに配慮しないといけないし、
放射性物質の飛散予測も放送できなかったんです。

しかし、当時実際に避難された方は、「避難しろとさんざん言われたけど、どの方角に放射性物質が飛んでいるからわからない、だから結局、
放射性物質の飛んでいる方向に逃げてしまった」と言うんです。

当時、いろんな混乱があって、メディアも全ての正解を知っていたわけではないですが、
だからと言ってしょうがなかったで済ませるわけにはいかないですよね。

放射能のこと1つとっても、知らないで決断するのと知っているのとでは、たとえ同じことを選ぶとしても全然違うと思うんです。
自分で知った上で決めることができないというのは、すごく尊厳を奪う行為です。