福岡ソフトバンクは4日、チームの活動休止を8日まで延長すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大によって先月31日から活動を休止しているチームは、開幕の無期限延期が決まった3日の12球団代表者会議を受けて活動休止期間を5日まで延長。さらに3日間延びることが決まり、9日以降の練習についても現状では未定だ。調整面での難しさを強いられている選手同様に、球団営業サイドも未曽有の事態に暗中模索の日々が続く。


 新型コロナウイルス感染拡大の影響で難しい調整を強いられているソフトバンクナインと同じく、球団は営業面でも頭を悩ませる状況が続く。濃厚接触のリスク軽減のため、観客の密集を避ける入場制限も大きな課題の一つだ。かねて日本野球機構(NPB)の斉藤コミッショナーが「各球団で検討してほしい」と要望。最低でも5割以上の減となるほか、最大では8割近い入場制限も見込まれる。

 ソフトバンクはパ・リーグの観客動員数で毎年最多を誇る。収益面でのダメージ規模は他球団と比べても大きくなるが、要望を受けて球団側では収容人員4万122人の本拠地ペイペイドームでの試合開催時における、感染防止対策や座席の配置などのシミュレーション案を策定。観客動員率が2割、3割、5割の場合など、さまざまなパターンを想定しているという。

 感染が拡大している中で具体的な動員率の数値はまとまっていないとみられる。それだけにプランは増えていく一方で、一本化できない状態が続く。加えて入場者を制限するとなると、年間指定席の取り扱いなど課題は山積している。

 同時に難しい問題となるのがイベント関連だ。ソフトバンクは「タカガールデー」「鷹の祭典」など、集客イベントが多い球団でもあるが、入場制限をした上での興行となれば「集客」の狙いとは相反する形となる。既に概要を発表しているイベントもあるだけに、こちらも頭が痛い案件だ。

 グッズ関連でも当初の開幕日、3月20日のロッテ戦(ペイペイドーム)で配布予定だった、昨年の日本シリーズ優勝を記念して作製したレプリカの「2019チャンピオンリング」なども眠っている状態という。その他のグッズに関しても、当然取り扱いは難しい。これまで時価チケットの導入など積極的な運営を展開して、2019年2月期の売上高は317億円を超えたが、未曽有の事態は先行きが見えない。困惑しながらも、球団担当者はさまざまな展開を想定して懸命に動いているが、新たな開幕日も白紙の状態。手探りでの準備が続くことになる。

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