(CNN) 新型コロナウイルスに感染した患者の死亡率は、これまでの推計よりも低いという研究結果が30日の医学誌ランセットに発表された。
ただ、インフルエンザに比べると依然として死亡率は高くなっている。

それによると、新型コロナウイルスに感染した患者の死亡率は、検出されないこともある症状の軽い患者も含めた場合、約0.66%と推定され、
今月上旬に公表されていた推定より低いことが分かった。ただし、インフルエンザの死亡率0.1%に比べるとはるかに高い。

検出されていない感染者を除外すると、新型コロナウイルス感染症の死亡率は1.38%だった。

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は今月上旬、新型コロナウイルス感染症の死亡率は約2%とする推計を公表していた。
ただしこの数字は報告された症例のみを対象としていることから、無症状や症状が軽い感染者を含めれば、実際にはもっと低い可能性もあると指摘していた。

今回の調査では、症状が出て検査を受けた人に限らず、感染者全体に占める死者の割合を算出した。

死亡率は高齢者の方が高い傾向があり、80歳以上の死亡率は約7.8%だった。
一方、9歳未満の子どもの死亡率は0.00161%と極めて低い。40歳未満では0.16%だった。

調査結果をまとめた英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者は、
「50歳以上になると、50歳未満の人よりも入院する確率が大幅に高くなり、死亡率も高まる」と指摘する。

今回の調査では、患者が回復するまでには数週間かかる可能性もあることが判明。
そのために医療態勢が追い付かない問題が一層増大することもあり得る。

症状が表れてから病院を退院するまでの平均日数は約25日。
死亡した患者の場合、症状が表れてから約18日後に亡くなっていた。
https://www.cnn.co.jp/world/35151613.html