新型コロナウイルスの世界的感染拡大で、東京五輪の延期を求める声が高まる中、米国のトランプ大統領が”爆弾暴露”を行った。トランプ大統領は19日(日本時間20日)、ホワイトハウスで行われた記者会見で、日本時間16日の深夜に行われた緊急G7のテレビ電話会議で安倍首相が東京五輪問題について話した中身について触れ「彼にとって大きな決断。難しい状況だ。彼は、我々にどうするか決断していないと話した」と明かした。

 トランプ大統領が明かした安倍首相の言葉の「どうするか決断していない」の「どうするか」の意味するものは、東京五輪の延期なのか、中止なのか、開催なのか。その解釈が難しいが、このトランプ発言を全米の複数のメディアが報じており、LAタイムズ紙は、「日本のリーダーたちは、新型コロナウイルスの感染拡大の中で東京五輪を開催するかまだ決断に至っていない」と捉え、CNNも「日本の首相が五輪開催について決断を下していない」と解釈していた。

 さらにトランプ大統領は、「我々は彼(安倍首相)の決定を受け入れるだろう」とも語り、たとえ安倍首相が延期の決断をした場合にも、その決断を支持する考えを明らかにした。

 トランプ大統領は、緊急G7会議の前には、「無観客は想像できない。あくまで私の意見だが、1年間延期したほうがいいのかもしれない。立派な施設を建設したので残念ではあるが」とメディアに延期説を力説していたが、G7会議では、その持論を展開せず、安倍首相の五輪の通常開催を望む主張を支持していた。

 ただG7会議後、安倍首相は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証として東京オリンピック・パラリンピックを完全な形で実現するということについてG7の支持を得たところです」と説明。
 19日の参議院総務委員会でも、日本維新の会の片山虎之介参院議員から「『完全な形』というのは、今の計画のままで種目は減らさず、観客はいて普通にやるということですね」との質問を受けて 「規模は縮小せずに行う。観客の皆さんにも当然、一緒に感動を味わっていただくということ」と答弁した。
 無観客での大会開催を否定し、延期、中止については、「延期や中止について私は一切言及していない」とも断言。延期の考えがないことを改めて主張している。
 その日本の立場から文脈を見れば、「どうするか決断していない」ものは、五輪の開催ではなく「延期」と捉えるのが筋だろう。
 いずれにしろ大きな波紋を呼ぶトランプ発言になった。

 一方で延期、中止を求める声は日増しに強くなっている。

3/20(金) 7:01配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200320-00010001-wordleafs-spo