佐藤健が主演を務める実写映画『るろうに剣心』シリーズの最終章で、有村架純が主人公・緋村剣心の妻だった女性・雪代巴(ゆきしろ・ともえ)を演じることが発表され、ビジュアルが公開された。

 最終章は先日、新田真剣佑が演じることが発表されたシリーズ最恐の敵・雪代縁(えにし)との戦いを描く『るろうに剣心 最終章 The Final』(7月3日公開)と、剣心の頬に刻まれた十字傷の謎に迫る『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(8月7日公開)の2作。原作の最終章にあたる「人誅(じんちゅう)編」と、OVA(オリジナルビデオアニメーション)化され、高く評価された人誅編の一部である「追憶編」を実写化する。

 雪代巴は、十字傷の謎の鍵を握る、かつて剣心の妻であった人物。幕末、剣心が血も涙もない“人斬り抜刀斎”と呼ばれた時代に、唯一心を許したにもかかわらず、その手で斬殺した相手だ。『The Final』で縁が剣心に復讐を仕掛けてくる理由とも深く関係しており、早くからそのキャスティングが注目されていた。

 有村は「プロデューサーの方から『このエピソードは巴がいないと成り立たない作品だ』と言って頂きました。1作目から原作ファンの方や映画ファンの方からすごく大切にされている作品ですし、健さんやキャストの方、監督やスタッフの皆さんが大切に作られている作品ですので、嬉しい思いもありましたが、同時に大きなプレッシャーも感じました」と吐露。

 撮影現場では佐藤から「本当に大切に思っている作品で、7年前の『るろうに剣心』の始まりの役づくりは巴からスタートしている」と話があったそうで、「7年間ずっと巴がベースにあって、今の剣心が出来ているという、その言葉の重みを深く受け止めました。どれだけ『るろうに剣心』を愛しているのかというのはひしひしと隣にいて感じました」と振り返った。

 一方の佐藤もシリーズを通して「僕の中には、雪代巴という一人の女性が内包されていました」といい、「The Beginning の撮影初日、僕の中に7年間内包されていたものが、突如実体を持って目の前に現れました。巴として初めてお会いするはずの有村さんに、どうしようもない懐かしさを感じました。それからの撮影の日々は、辛く悲しくありながらも夢のようで、今思い返しても、あんなにも美しく、そして儚い時間を過ごした経験はありません」と述懐した。

 ファンの間でも高い人気を誇るキャラクターである巴。大友啓史監督は「このヒロインは、演じるのに決して簡単な役ではありません」と認める中、「思い浮かんだのが、『3月のライオン』でご一緒した有村架純さんでした」という。「彼女なら、真っ白い心で、この役を、孤独な二つの魂の、燃えるような邂逅(かいこう)の物語を一緒に走ってくれるのではないか」と感じたことを明かし、「魂を込めて演じ切った有村架純さんの『巴』像を、一刻も早く皆さんにお披露目したい気持ちでいっぱいです」と自信をのぞかせた。(編集部・中山雄一朗)


2020年3月19日 6時00分
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