世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るい、サッカー界でも感染者が増え続けている。

かつてイングランドの名門チェルシーでチームドクターを務めていたエヴァ・カルネイロ女医が、
「なぜサッカー選手はコロナウイルスの格好の標的なのか」という問題について「免疫低下」を理由に解説している。

英紙「デイリー・メール」が報じた。

カルネイロ女医といえば、2009年から2015年までチェルシーのチームドクターを務め、当時指揮していたジョゼ・モウリーニョ監督
(現トッテナム監督)から性差別的な暴言を吐かれたとして話題を集めた。

そんなカルネイロ女医が英紙「デイリー・メール」の取材に対応し、
サッカー選手が新型コロナウイルスに感染しやすい理由について解説している。

イングランドではチェルシーのFWカラム・ハドソン=オドイ、アーセナルのミケル・アルテタ監督などの感染が確認され、
イタリアやドイツでもサッカー選手の感染が急増。記事では「なぜサッカー選手がコロナウイルスの格好の標的なのか」と注目し、
カルネイロ女医は次のように語る。

「プロ選手は定期的に免疫低下になることが証明されています。
血液検査、上気道感染症などの感染症の罹患率によって実証されており、それが今回のようにウイルスに感染する要因です。
それらはスポーツの運動量にもよります。72時間ごとにある試合、プロレベルでの肉体的活動、そして練習も同様に体に負担をかけます」

試合ではピッチを縦横無尽に駆け回り、多くの運動量が求められる。
さらに近年は試合の間隔も短く、そのなかでのトレーニングにより身体的負担は避けられないと説く。

さらにカルネイロ女医は、移動がもたらす悪影響も指摘している。

「プライベートジェットで移動する場合も、空港に入らなければなりません。
移動は睡眠リズムを変えることになり、早朝に戻っても疲労が蓄積し、選手が再び感染しやすくなります」

試合ごとの移動に加え、主な移動手段となる飛行機移動により感染リスクが高まると分析しているカルネイロ女医は、
さらに文化的背景も感染拡大の一因になっていると見ている。

「文化的に、握手や抱擁のような感染拡大の原因となる行動を変えるように選手やスタッフを説得するのは難しいかもしれません。
選手たちを隔離させたいと思うかもしれませんが、それはあまり許容されておらず、
個人を隔離させたくないという周囲の自然な思いもあります。それには管理と交渉が必要になります」

現時点で、新型コロナウイルスは感染拡大の一途をたどっている。日本をはじめ、欧州主要リーグも試合延期を強いられているなか、1日も早い収束を願うばかりだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200315-00251832-soccermzw-socc