「政治判断は科学的根拠に基づいてやるべきだ」新型インフルエンザの対応に当たった舛添氏が安倍総理の“一斉休校”決断に苦言


一斉休校の決断に対する批判が高まっていることについて、国会で「これから1、2週間が急速な拡大に進むか、
収束できるかの瀬戸際になる」と改めて強調した安倍総理。専門家のアドバイスではなく、自らの判断だったとし、
「やはり発症してからでは、新たなクラスターが出てからでは遅いという判断をさせていただいた」と説明した。

そんな中、専門家会議は「症状の軽い人からの感染拡大ということが挙げられた。なかでも若年層は重症化する割合が非常に低く、
拡大状況が見えないため、結果的に中高年層に感染してしまっている」との見方を示し、1人が複数人に感染させた場所としてライブハウス、
スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントを挙げ、こうした場所を避けるよう促した。

2009年の新型コロナウイルス流行時に厚生労働大臣として対応にあたった舛添要一氏は「この指針が間違っているとは言っていない。
しかし、政治判断は科学的根拠に基づいてやるべきだ。小中学校の一斉休校は悪くないと言いたいがために言っているように私には聞こえた」と厳しく批判する。

「もちろん2日の発表は無意味ではないし、大変重要だ。もう少し早く出せなかったのかということと、
しかし、WHOの報告と、子どもに関しての部分に齟齬がある。“若者の皆さん”と言っているが、休校になった小・中・高校生はどうなのか。

意地の悪い言い方をすると、一斉休校したことへの批判が出てきたので、“いや〜総理のご決断はすばらしい。
若者は症状が軽いが、どんどんうつすのだから閉じ込めておくのは正しい”と言うために連れてこられたような感じがする。

NHKなどを見ていると、総理の判断が正しいと皆が思うように流してしまっていた。マスコミを操作したとは言わないが、科学に対して謙虚でなければいけない。
11年前にも同じようなことをやったが、やはり患者たちを診ている現場の医師たちの意見が一番正しい。

私の時には“チームA”と“チームB”を作り、別々にやらせてみたところ。違う意見が出てきた。
今回も、意見は一つではないはずだ。だからこそ正確な情報と疫学的根拠にしたがってというものが必要だ。
議論を公開されたところでやれば、感染症の専門家などが“それは違う”ということが言える。それがないので、極端に言えば大本営発表になっている」。

幻冬舎・編集者の箕輪厚介氏が「対策に動かなければ“動かない”と批判され、休校にしても批判される。
もし優先順位が違うということであれば、他にどのような具体策があったのか」と尋ねると、

舛添氏は「こういう決断を全国一律でやるということはマイナスの方が大きすぎると私は判断する。
目の前で死んでいるお年寄りを救う方が先ではないかというのが、私の経験からくる感覚だ。

もし本当に人の動きを止めるのであれば、武漢のように街封鎖だ。

学校を閉めて学童保育はやっているので集まっているし、保育園もそのままだ。北海道でならやってもいい。

そのためには検査体制をさっさと確立すればいい。民間を使えばどんどんできるのに、全て後手に回っている」と話した。
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